《MUMEI》
ツキビトトシニガミ【後編】
「…おめぇ、みねー顔だな!?誰だゴラァっ!?」
「ひっ、あ…こ、この人のつ…憑き人で…」
私は震えながら答えた。
「あー、そうかそうか…じゃあてめぇも敵だ、死ね」
そういいながらその人は手から槍を出した。佐々木さんの持っていた槍はいつの間にかきえた。そしてソレをこっちに飛ばした。
「ふぅ…私、今は時間が惜しいので…そうですね、0.3秒といったところでしょうか?」
「えっ…」
私は佐々木さんの呟いた言葉に耳を疑った。
あんな化物をこんな人が倒せる訳がない。
でも、そう思ったのも束の間佐々木さんはグッと脚に力を入れて跳び出し、その人の飛ばした槍を掴みながら砕き散らせた。
私が見たのはそこだけで、気付いたらその人は吹き飛んで居なくなっていて、そこらじゅうにあるビルにとてつもなく大きい穴が空いていた。
そして私はコレが起こる前に聞いた言葉は
「”さぁ…ゲームを終わらせましょう…”」
だった。
「いまの…佐々木さんが…?」
「はい、しかし…1.3秒も掛かってしまいました」
佐々木さんはにこにこと笑いながら言った。
「さてと…じゃあ行きましょうか?」
「え…ど、何処にですか?」
「…私の仲間がいる場所へ、ですよ」
こうして私の憑き人生活は始まった。

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