《MUMEI》
4
「んんん・・・」

瑠璃子はゆっくりと目を覚ました。

「ハッ!」

自分の状況を知って彼女は驚き慌てた。キングサイズのベッドに大の字拘束。しかも全裸だ。いきなり素っ裸は酷い。チラリズムという言葉を知らないのか。

「嘘でしょ?」

全裸なのに大股開きの屈辱的なポーズ。これは悔しい。瑠璃子はこんな危険な目に遭遇したのは初めてだ。

「くっ・・・」

ここはどこだ。研究室の中か。手枷足枷でキッチリ縛られているから、自力でほどくのは無理だ。

「あっ」

そこへ、白衣を着た切川琢磨がやってきた。見知らぬ男も数人いて、瑠璃子の魅惑的な裸体を直視して興奮している。

「琢磨さん、これはどういうこと?」

「とぼけなくても大丈夫だよ瑠璃子。君の正体はとっくにバレているから」

「え?」

誘導尋問にひっかかってはいけない。瑠璃子は深呼吸すると、言った。

「正体て何? とにかく恥ずかしいから手足をほどいて。せめてタオルをかけて」

赤面した顔で身じろぎする瑠璃子がかわいい。切川はややほくそ笑んだが、すぐにいつもの無表情に戻った。

「瑠璃子。何でオレや、田辺所長のことを調べているの?」

(・・・嘘)

そこまでバレているのか。しかし本当のことを話すわけにはいかない。瑠璃子は緊張した。

「調べる? 何のこと。あたしと誰かを間違えているんじゃないの?」

「とことんシラを切るなら、拷問しちゃうよ」

拷問と聞いて瑠璃子は腰が引けた。生身の体なのだ。全裸で手足を縛られて無抵抗の状態で、拷問と言われたら怖いに決まっている。

「待って、拷問なんて恐ろしいことは言わないで」

「じゃあ正直に本当のことを話しな。何でオレのことを嗅ぎ回っているの?」

「嗅ぎ回っている?」瑠璃子は小首をかしげて切川琢磨を見つめた。「さっきから何を言ってるの?」

切川は無表情で近づくと、瑠璃子のセクシーなおなかをさわった。

「あっ」

「本当にイイ体してるね、瑠璃子。この大切な体を傷つけられたくないだろ?」

「やめて、変なことはしないで、お願い」

「とぼけるなら、変なことするよ」

このままでは犯されてしまう。何とかしないといけない。瑠璃子は本気で焦っていた。エッチな拷問は耐えがたい屈辱だ。ところが切川は、いきなりナイフを出した。

「え?」

「訓練されたスパイなら、レイプで参るとは思わない」

「スパイって何?」

「瑠璃子。正直に言わないなら、こういうことしちゃうよ」

切川はナイフを瑠璃子の股に当てた。

「あああ、待って、待って!」瑠璃子は慌てふためいた。「ややや、危ないからやめて」

「ほら、ココを切り刻んでやろうか?」

切川はナイフで瑠璃子の股をペタペタ叩く。これはたまらない。1ミリも腰を動かせず、瑠璃子は汗びっしょりだ。

「ヤダ、やめて、お願いやめて」

「それとも突き刺してやろうか?」とナイフの先で股を突くまねをする。

「あああ・・・やめて、やめて」

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