《MUMEI》 5バケツを抱えた男と、ハケを持っている男が、嫌らしい笑顔で千香を見た。 「待って、何をする気?」 そのとき、ドアが開いた。馬かと思うような黒い、大きな犬が一匹出てきた。さすがの千香も慌ててもがいた。 「ちょっと待って、何をするの?」 「ハハハ」田辺が怪しい笑顔で千香の横にしゃがんだ。「あのワンコーはバターが大好物なんだ」 何をやるのかがわかり、千香は腰が引けた。 「それだけはやめて。あたしにもプライドがあるわ」 「捜査から手を引くと言いながら、手を引かなかった。つまり嘘をついたんだ、君は。ハハハ。もう哀願は通用しないよ」 千香は無理とわかっていても手足に力を入れた。ダメだ。手枷足枷で拘束されては、自力で外すのは不可能だ。 「さあ食らえ!」 男たちは容赦なく千香の股に、たっぷりとバターを塗った。 「あああ・・・やめて、やめて!」 犬など冗談ではない。ここは懇願して許してもらうしかなかった。 「お願いです、やめてください、やめて」 「やめないよ」 田辺はあっさり口笛を吹く。獰猛な犬は一気に走ってきた。千香は激しく暴れたが、無抵抗ではどうしようもない。犬は千香の股めがけて突進。貪るようにバターを舐める。 「あああああ!」 生まれて初めて味わう屈辱。犬に股をベロベロ舐められて、千香は頭の中が真っ白になった。 「いやあああ! やめて、お願いだからやめて!」 田辺と男たちは面白がって見ている。千香のような美しい女が犬にクンニされ放題。しかも彼女は誇り高き刑事だ。彼らの興奮も最高潮に達した。 「やめて! ちょっとやめて・・・あああ、嘘・・・」 まさか。感じてきてしまった。そんなことあり得ない。千香は動揺した。犬に舐められて感じるわけがない。 (嘘でしょ?) 信じられない。耐えられないような気持ち良さが下半身を直撃し、千香は腰を浮かした。犬はひたすらベロベロ彼女の股を舐めまくる。 「あっ・・・くううう・・・」 両目をきつく閉じ、歯をくいしばる千香に、田辺は言った。 「あれ、もしかして千香、気持ちよくなって来ちゃったか?」 「まさか・・・とにかくやめて」 「やめないよ。千香君。犬のクンニでイカされたら、人間様として恥ずかしいぞ」 「やめて、お願いやめて」 千香は激しくもがいた。絶体絶命の大ピンチだ。切川琢磨はやや遠くからこの様子を見ているが、止めようとはしない。 「あ、くっ・・・あああああん!」 (嘘、どうしよう、何で、何で?) 耐えられない。このままではイカされてしまう。それだけは死んでも嫌だ。そこは男たちにもわかってほしかった。 「お願いやめて、やめて・・・あああああん! ヤダ、絶対イヤ!」 前へ |次へ |
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