《MUMEI》
6
そこへ、切川琢磨が血相変えて飛び込んできた。

「瑠璃子!」

「君も見たまえ。素晴らしいショーだぞ。改めて瑠璃子君に惚れるぞ。ハッハッハ!」

切川は瑠璃子を見た。触手に陵辱されて悶えている。

「やめて、やめて・・・気持ちいい・・・気持ちいいひっひいいい・・・やめて、おかしくなっちゃう!」

「ほら、本人も喜んでいるだろ」

切川は顔面蒼白だ。瑠璃子は完全に理性が飛んでいる。それは仕方ない。女の子を責められない。そもそも人間業ではないのだ。全身の弱点を同時に責められることなど、普通のセックスでは無理だ。経験したことのない快感は、女を狂わせ、とことん淫らにさせてしまう。

「あああああん! あああああん! お願いもうやめて!」

「やめないよ」

「やめろ」

「はっ?」

横を見ると、切川が銃を構えている。田辺は焦った。

「待て、撃つな。止めるから」

「早く止めろ」

「わかった止める、止めるから銃をしまいなさい」

「止めろ!」切川は怒鳴った。

「いやあああん! 気持ちいい・・・気持ちいい・・・やめて・・・許して・・・お願い」

これ以上責めるのは危険だ。瑠璃子が壊れてしまう。切川は銃を向けながら田辺を睨む。

「本気だぞ」

田辺は仕方なくキーボードを操作する。触手は瑠璃子を静かに床に下ろした。

「はあ、はあ、はあ・・・」

かわいそうに半失神だ。大の字になり、両目を閉じ、口を大きく開けて息を乱している。

「さあ、銃をしまいなさい」

切川はどす黒い目をすると、田辺の肩を撃った。

「あああああ!」

田辺は卒倒した。肩から流血している。

「待て、悪かった、許してくれ・・・ぎゃあああああ!」

今度は膝を撃った。田辺幹一は激痛にのたうち回った。切川は銃をしまうと、すぐに部屋の中に入った。

「瑠璃子!」

裸の瑠璃子を抱き起こす。瑠璃子はゆっくりと目を開けた。

「琢磨さん・・・」

「しっかりしろ。大丈夫か?」

「あたしを、助けてくれたの?」

「立てるか? 逃げるぞ」

瑠璃子を立たせると、銃を出し、切川琢磨は部屋を出ていった。廊下で男を見ると、銃を向けた。

「千香はどこだ?」

「あ、こっちです」

無理やり案内させ、狭い部屋に入った。

「千香さん!」瑠璃子が叫ぶ。

千香はベッドで寝ていた。裸のままだ。彼女は上体を起こして胸と下を手で隠すと、切川と瑠璃子を交互に見た。

切川は携帯電話を出すと、千香に渡した。

「警察に連絡してくれ」

「え?」

切川は銃を見せた。

「これで所長を撃った」

千香はじっと切川を見ると、口を開いた。

「殺したの?」

「肩と膝を撃った」

千香は急いで電話をする。傍らで瑠璃子が言った。

「救急車も。彼を人殺しにしたくない」

急転直下。千香と瑠璃子は切川に助けられた。ほとんど逃げ道がない状況で、危うく狂わされるところだったが、九死に一生を得た。

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