《MUMEI》
防衛任務。
「こちら嵐山!本部南西地区にトリオン兵出現、数は10!!現在交戦中、他の隊の援護を要請します!!」
『こちら本部、了解した。現在玉狛第二が援護に向かっている』
「了解っ!!」

2体のトリオン兵に十字砲火を浴びせ、更に1体にはスコーピオンを突き刺す。
討ち漏らした敵は賢の狙撃で仕留め、ここまでで4体。

「あと6体……!!」
『嵐山さん!!こちら三雲、到着しました!!』
「了解だ!!俺達で仕留め切れていない敵を頼む!!」
『了解です!!』

白い髪の少年が目の前の敵を切り裂く。
彼は空閑遊真、援護に来た玉狛第二のエースだ。

「……っと、すまんオサム。そっちに2体だ!!」
「分かってる__……通常弾!!」

眼鏡の少年が放った弾は、トリオン兵の “目” に命中した。
三雲修。
玉狛第二の隊長で、冷静で知的な印象の少年だ。

「千佳!!頼む!!」

その言葉が聞こえたらしき賢が、慌てて通信してきた。

『威力凄いんで巻き添えにならないでくださいね!?』

次の瞬間。
ドン、と鈍い音が響き、敵兵が__

「うわー、粉々だなー」
「呑気に言ってる場合か空閑!!嵐山さん、前ですっ!!」
「ぐっ……木虎っ」
「はいっ」
「佐鳥、砲撃×2!!生きて!!」
『いや生きるわ!!』

トリオン兵の砲撃が、賢の陣取っている建物を襲う。
賢は、バランスを崩して建物から落ちながらも銃を構えた。

『こんにゃろっ』

同時に放たれた二発の銃弾は、真っ直ぐ敵の弱点を貫く。

『嵐山さん、見ました?俺の必殺・アクロバティックツイン狙撃!!』
「ああ、見たぞー!賢が倒したヤツで最後みたいだな」

周囲を確認して、連絡を入れる。

「こちら嵐山。本部南西地区のトリオン兵は討伐完了しました」
『こちら本部。討伐ご苦労だった。隊長2人は周辺の被害状況をまとめて来週までに提出するように』
「「えっ」」
『嘘だ。引き続き警戒を頼む』
「了解……なんなんだ本部長は」
「あはは……」

これが、俺達の日常…………だった。

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