《MUMEI》
梟と手紙
作戦室に戻ると、忍田本部長が(沢村さんが見れば卒倒しそうな程セクシーな)悩ましい顔で紅茶を味わっていた。





………肩に白い梟を乗せて。

「はぁ……」

…………梟!?

「ほ、本部長?」
「……ああ、すまん。一瞬意識が遠くに行っていた」
「い、いえ……あの、肩の梟は」
「?……ああ、何故かは分からんが手紙を運んできた。怖いからまだ開けてはいないがな」
「手紙?」
「これだ」

差し出された手紙の宛名には、
【界境防衛機関ボーダー 忍田真史様 並びに嵐山准様 時枝充様 佐鳥賢様】
とあった。
封筒を裏返すと、紫の蝋で封をしてあった。
真ん中に大きな“H”。その周りをライオン、穴熊、鷲、蛇が取り囲んでいる。

「……なんだ、これ」

封筒をそっと開き、手紙を読み上げる。

[親愛なる皆様
このたびホグワーツ魔法魔術学校にめでたく入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。教科書並びに必要な教材のリストを同封致します。
新学期は9月1日に始まります。7月31日必着でふくろう便にてのお返事をお待ちしております。
         敬具
副校長ミネルバ・マグゴナガル]

「……魔法魔術学校?」
「どういうことだ……?」

その時、作戦室の中に風が吹いた。

「うわっ!?」
「……っ、賢っ!!」

風が収まると、そこには一人の老人が立っていた。

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