《MUMEI》
気まずい空気って辛い。
ダンブルドア校長と別れた後、俺達はルビウス・ハグリッドに出会った。
彼に連れられて、魔法使いの銀行・グリンゴッツへ来ていた。
しかし。

「「「……………………」」」

………………重い。空気が重い。

それもそのはず、つい数分前にここに来たときに会った人達が問題だった。

出会ったのは、三雲くん。
遊真くん。
雨取さん。
三輪。
そして__





__沢村さんと東さん。
とりあえず、そんな状況に耐えかねて金貨や銀貨を引き出したのだが…………

この状態になった。

「…………佐鳥」
「ひゃい!?」
「背、低いな」
「うっ」
「俺もお前のことは言えないけどな」
「東さ〜ん…………」

ぎゅっ、と東さんに抱きつく賢。
その瞬間、なんとなく空気が柔らかくなった。
……一番ドギマギしてたのこの二人だしな。

「……おまえさんら、そろそろ買い物に行かにゃならん。向こうの【マダム・マルキンの洋装店】の前でハリーっちゅう眼鏡の男の子が待っちょる」
「ありがとうございます、ハグリッド」

俺達は【マダム・マルキンの洋装店】へ向かった。

# # # #

「おう、ハリー。待たせっちまって悪かったな」
「ううん、ハグリッド。……後ろの人達は?」
「おまえさんとおんなじ新入生だ。にしても人数が多いな、この中で半分は俺と一緒に教科書を見に行くぞ」

そんな言葉が聞こえた瞬間、賢を前に押し出して充が言った。

「なら、俺と佐鳥は先に採寸しちゃおうか」
「へ?」
「教科書は嵐山さんに任せれば良いよ」

その発言に、俺達ボーダー組の全員が賛成した。
この二人の会話は、周りの人の警戒心を解くことに定評があるからだ。
そして、ハリーと賢、充は制服を、それ以外の全員は教科書を買うことになった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫