《MUMEI》
いざ、杖の店へ
様々な買い物を済ませた俺達は驚いた。今日がハリーの11歳の誕生日なのだという。俺達はそれぞれにプレゼントを買って、ハリーに渡した。
両手いっぱいにプレゼントを抱えたハリーは、ずっとお礼を言っていた。

さて、俺達が最後に向かった店は__



__【オリバンダーの店】。

……魔法の杖を扱っている店だ。
店の中はとても静かで、誰も一言も発さない。

「いらっしゃいませ」

ハグリッド含めて全員が、声が聞こえた瞬間跳び上がった。

「こんにちは」

ハリーのぎこちない挨拶。

「おお、そうじゃ。そうじゃとも、そうじゃとも。間もなくお目にかかれると思っておりましたよ、ハリー・ポッターさん」

オリバンダー老人はハリーのことを知っていた。

「お母さんと同じ目をしていなさる。あの子がここに来て最初の杖を買っていったのがほんの昨日のことのようじゃ。あの杖は26cmの長さ。柳の木でできていて振りやすい、妖精の呪文にはぴったりの杖じゃった」

更にハリーに近づく。

「お父さんはマホガニーの杖が気に入られてな。28cmのよくしなる杖じゃった。どれより力があって変身術には最高じゃ。いや、父上が気に入ったと言うたが……実は、杖の方が持ち主の魔法使いを選ぶのじゃよ。……それで、これが例の……」

オリバンダー老人が、ハリーの額の傷に触れる。

「……悲しいことに、この傷をつけたのもわしの店で売った杖じゃ。34cmもあってな。イチイの木でできた強力な杖じゃ。とても強いが、間違った者の手に……そう、もしあの杖が世の中に出て何をするのかわしが知っていればのう……」

老人は頭を振り、ハグリッドに気づいたようだ。

「ルビウス!ルビウス・ハグリッドじゃないか!また会えて嬉しいよ……41cmの樫の木。よく曲がる。そうじゃったな?」
「ああ、じいさま。その通りです」
「いい杖じゃった、あれは。じゃが、お前さんが退学になったとき真っ二つに折られてしもうたのじゃったな?」

老人の口調が急に険しくなった。

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