《MUMEI》
第1戦『その姿、黒き猛虎[前編]』
ー東京都。私立天野高校。
そこは国内きっての超不良校…これはその数々の不良伝説が噂されるこの高校に、ある男が滅茶苦茶するお話…。
*********
「はぁ…なんでよりによって天野高校に…」
こんにちは。僕の名前は桐生 信太(キリュウ シンタ)あだ名は『ビビリのきゅうり』…たぶん名字の桐生とかけてるんだと思う。きゅうり好きだから良いけど…。
そんな僕だけど本命の私立の名門校の受験に失敗、滑り止めの私立天野高校に入学することになったんだけど…今何故か不良に絡まれてます…。ナニコレ?
あれ?僕の聞いた話では天野高校は進学校でとても綺麗な新設校。
生徒も礼儀正しく元気がいい高校…って聞いたんだけど、ナニコレ?(二回目)校舎はさながら廃墟のようで生徒は礼儀のれの字もない元気だけが取り柄の金髪どヤンキー。
「あ…あはは、なんなんだよ…コレ…?」
ヤンキーの1人が僕に向かって吠える。ヤンキー3対一般人1はセコいぞ…。
「オイコラてめぇ聞いてんのかゴラァ(`д´;)」
的な感じで威嚇してきた。ちなみに僕は今校門前にいる。
「あひゃっ。は、はぃ!きいてますヌフッ!」
「おう、聞いてたんならとっととしろや!」
ヤンキーはそこにあった校門を蹴った。ガァンッという音と共に怒号が響く。
「ひっ、あ…の、な、なにをすれば…?」
「あぁん!?てめぇ聞いてたんじゃねーのかコラァ!」
ヤンキーはまた校門を蹴った。そして僕に向かって拳を振っていた。
「(ヤバいッ!殴られッ…?)」
僕に殴られた感覚は無く、目を開けるとヤンキー三人組が別の人にキレてた。
その別の人は、黒髪でキリッとした目つき悪い人だった。
「だから…校門朝からガンガン蹴ってんじゃねーよ…まったく、ものに当たるなってお母様に習わなかったのかね?」
「うるせーよ!てめぇつーか誰だコラ!」
「あーもー、お前らのせいで目ぇ覚めちまっただろーが…!」
その人はそういうと3人組に駆け寄り拳を振った。
「朝の挨拶!おはようございまぁあぁあす!!」
そう叫びながらその人は一瞬でヤンキーを吹っ飛ばした。
「…あー、そうだ。俺の名前は戦崎 黒虎(センザキ クロトラ)だ。しっかり覚えとけよ、わんぱくボーイ。」
僕はその人を見て確信した。この人は何かが違う。そう思った僕は体が先に動いていた。
その人の前に立ち、手を差し出した。
「僕の名前は桐生信太です!是非僕をッ!!舎弟にしてくださいッ!!」
戦崎君はすこし驚いた表情のあとニッと笑って言った。
「舎弟にはできねぇし、募集もしねー…けど、友達なら絶賛募集中だ。宜しくな、信太!」
「…うん、宜しく!黒虎君!!」
こうして僕の天野高校での高校生活は幕を開けた。

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