《MUMEI》
第2戦『その姿、黒き猛虎[後編]』
ー体育館。入学式の途中です、僕は隅っこにいるけどね。え?なんでって…この高校の入学式は一年生全員でのバトルロワイヤルだからだよ。(真顔)
「ウラァ!死ねゴラァ!」
「ぬぅんりゃあぁ!」
「くたばれやクソッタレがぁ!」
「ペペロンチィノッッ!!!」
なんか最後の奴おかしいけどいーや、ちなみに黒虎君はど真ん中で寝ています。あ、蹴られた。
「河豚食べたいッ!…?な、なんだこれ?何がおきてんだ?あ、信太!コイツら何してんだ?あと河豚って食えんの?」
「一年生全員でバトルロワイヤルしてるんだよ…ちなみに河豚は毒があるし特殊免許ないと捌けないから普通は食べられないよ?」
「えっ!食えないの!?…ま、いいや。そーか、バトルロワイヤルか…教室かえっていいか?」
真顔で言う黒虎君にすこし呆れながらも感心する。
「いや…ここで制限時間までに勝ち残った人だけ出れるらしいから…あと30分位だよ?」
「う〜む、これってここにいる奴ら全員倒しゃいいんだろ?要は。」
黒虎君が聞いてきた。たしかに倒せばいいんだけどあと30分で180人程度を相手にするのは…(ちなみに女子は第二体育館で乱闘中。[170人程度])
「そ、そうだけど…無理だよ、30分で180人相手にするとか…」
「何言ってんだよ、信太?30分じゃねぇよ?」
「え?」
「15分もありゃ十分だろ、180人程度なんか」
黒虎君が冗談を言うとは思えなかった。でもそんなの冗談でもできないと思ってた。
でも僕は今後黒虎君の冗談を信じられなくなるだろう。だって彼は180人をたった5分で倒し退けたからだ。
「さて…帰るか、教室!」
「う、うん…」
僕は凄い、という思いとは裏腹に少し、恐怖を黒虎君に抱いていた。そして他の人たちもそうだ。全員口数揃えて言うだろう、この人は…化け物だ、と。

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