《MUMEI》
4
片瀬は彩を直視する。全裸を晒し、息を弾ませる彩が、たまらなく魅惑的に映り、蹂躙したくなった。

「さやか。今、陥落寸前だったから、待ってって哀願したのか?」

悔しい。彩は顔をしかめた。彼女にも警察官としてのプライドがある。

「何だその生意気な目は?」

「違います」

「そんなにくすぐりの刑が好きか?」

「え、あたし、どんな目してました?」彩は無理につぶらな瞳をつくって片瀬を見つめた。

「許してほしいなら質問に正直に答えな。陥落寸前だったから、待ってって哀願したの?」

精神的にも追い込まれていく。彩は脱出方法を真剣に考えた。

「かんらくって何ですか?」

「昔の戦で、戦に破れて、城が落ちるのを落城とか、陥落って言うでしょう」

「・・・はい」

「女の子の場合も同じで、イカされるというのは、その男に陥落したってことでしょう?」

認めなければ絶対に意地悪されるに決まっている。

「落とされることが、どれだけの恥辱かは、わかってくれますよね?」

「お、いいね、いいね。話に乗ってきたね。そういう態度なら、少しおしゃべりタイムでもいいよ」

彩は息を整えながら、言った。

「確かに、落とされたら、言い訳はできません。でも、さっきも本当に悔しかったし、精神的にも参ります。そういう意地悪をしちゃダメですよ」

「微妙に質問に答えてないので攻撃再開!」

「待って、待って」

待ってくれた。

「質問には答えます。はい。あれ以上責められたら落ちちゃうと思ったから、待ってと懇願しました」

「かわいい!」

まさか正直に認めるとは思わなかった。片瀬は感激した。

「じゃあ、僕がしつこく責めたら、耐え切れずに陥落しちゃうんだ?」

「・・・はい。でもそれは悪趣味というものです。許してほしいから、こうして恥を承知でお願いしているわけですから」

「ますますかわいい。惚れそう。いや、もう惚れたね。僕と結婚して」

「え?」

「聞こえているのにとぼけたので攻撃再開!」

「あああ、待って、待って・・・あああああん!」

今度は待ってくれない。再び黒いハンドが全身の敏感な弱点を同時に性感マッサージ。彩は仰け反って悶えた。

「あああああ・・・あああああ・・・やめて、やめて・・・」

悔しいけど気持ちいい。無抵抗ではどうすることもできない。

「あああああ、あああああん! お願いやめて・・・あああああ・・・」

「どうした? 気持ちいいのか。気持ちいいだろう」

心では反発しているのに肉体が敏感に反応してしまう。これがたまらなく悔しい。

「あっ・・・くっ・・・あああああ・・・」

(ダメだ、無理・・・)

快感には耐えられない。頭の中が真っ白で、思考回路が鈍る。理性を飛ばされるほどの気持ち良さに負けて、彩は乱れに乱れた。

「あああああ! あああああ! き・・・気持ちいい!」

「気持ちいい?」

「気持ちいい・・・気持ちいい! あああああん! あああああん! あああああ・・・あっ・・・・・・」

陥落した。

昇天直後の強烈な刺激はたまらない。

「いやあああ・・・止めて、止めて」

「陥落したことを認めるか?」

「認めます」言うしかなかった。

「よーし、そういういい子の言うことは聞いてあげよう」

マシーンが止まった。

「はあ、はあ、はあ・・・」

同じ男に二度も落とされたら、女として負けだと思った。彩は悔しさよりも、早く開放してほしい気持ちのほうが強い。これ以上意地悪されたら、本当に危ない。虜にされてしまう。

肉体は仕方ない。しかし、心まで奪われてはならない。

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