《MUMEI》
4
片瀬はドリルマッサージ機を置くと、注射器を手にした。

「僕はSだから、もちろん選択しなかったほうを選ぶよ」

そう言うと、注射器を彩のお尻に刺そうとする。彩は暴れながら叫んだ。

「やめて! やめて! お願いやめて!」

「やめないよん」

注射器の針がお尻の中心に触れる。危機一髪だ。それでも彩は諦めずに懇願した。

「片瀬さん、やめて、本当にやめて、お願いですから!」

「かわいい!」

片瀬は感激すると、注射器をベッドに置いた。そして素早くドリルマッサージ機を持ち、スイッチを入れると、一気に彩のお尻に直撃した。

ブルブルブルブルブル!

「ああああああああああん!」

大切な同僚の彩が、かわいい後輩が、ドリルマッサージでお尻を責められて泣き叫んでいる。このあり得ない光景に、小池は顔面蒼白だ。

「やめろ貴様! 殺すぞ!」

しかし片瀬は面白がって彩をいじめる。

「あああああん! あああああん! あああああん!」

お尻と股を同時に責められ、感じて来てしまった。彩は慌てた。小池が見ているのだ。悶えるわけにはいかない。

「やめて、やめて、お願いだからやめて!」

「え、カンチョーのほうがいいの?」

「ううう・・・」それを言われるとどうしようもない。

彩は快感に負けてお尻を左右に動かした。片瀬が言葉でも責める。

「さやか。婦人警官が犯人に責められてお尻ふりふりはまずいだろう?」

カーッと頭に血が上るほどの羞恥に、彩は激怒したが、睨んだりしてカンチョーされたら困る。ここは我慢するしかなかった。

「んんんんん・・・」

悔しい。バカにされているのに。気持ちよくなって来てしまった。耐えられないほどの快感に、彩は悩ましい顔をして困り果てた。

「あ、あああ、あああああん!」

(嘘、気持ちいい、どうしよう?)

このままではイカされてしまう。許してもらうしかない。

「片瀬さん、お願いやめて」

「やめないよ」

「やめてください!」

「気持ちいいのか?」

小池の前でその質問をするか。彩が黙ると、片瀬は攻撃を続けた。お尻だけならイクことはないが、股と同時責めだと耐えられない。しかもお尻を責められて昇天したと思われてしまう。それは恥ずかしい。

「やめて」

「質問に答えたらお尻は許してあげるよ」

意地悪にもほどがある。究極のドSだ。でも、イカされるよりはマシか。彩は小声で答えた。

「きもちいい」

「え、聞こえない。お尻気持ちいいの?」

(嘘でしょ)

「さやか。お尻気持ちいいの?」

「・・・気持ちいい」

「かわいい」片瀬は調子に乗った。「イッちゃいそうなの?」

「貴様殺すぞ! 警察を舐めんな!」

怒鳴る小池のほうを向くと、片瀬は淀んだ目で言った。

「男をいたぶる趣味はないからね。君のその暴言への答えは、彼女の美しい肉体に注がれるよ」

ブルブルブルブルブル!

「ああああああああああん! 小池君、挑発しないで!」

「さやかチャン・・・」小池は寂しい表情を浮かべ、体が震えた。

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