《MUMEI》
5
片瀬はしつこい。悪趣味全開だ。

「さやかチャン。お尻は許してほしい?」

「・・・許してください」

「ダメ」

「え?」

「ちゃんとした文章で答えないとねえ、こうだよ」

ブルブルブルブルブル!」

「ああああああああああん! わかったやめて、わかったから!」

「なにがわかったの?」

「お・・・お尻は許して」言って彩は真っ赤になった。

「かわいい!」

許してくれたのか、片瀬はドリルマッサージ機を一旦止めた。助かったと思ったのも束の間、黒いハンドは凄い力で彩の体を強引に仰向けにひっくり返した。

「きゃあああああ!」

今度は仰向けで大の字拘束だから胸も股も丸見えだ。彩は叫んだ。

「小池君見ないで!」

「見てないよ!」

「ダメだよ見ないと」

片瀬は再びドリルマッサージ機を持つと、スイッチを入れた。

「待って、何をする気?」

「お尻を責められたまま陥落したらさあ、婦人警官としての誇りまで蹂躙しちゃうから、武人の情けだよ」

「え?」意味がわからない。

片瀬は怪しい笑みを浮かべると、彩の股にドリルマッサージを直撃した。

ブルブルブルブルブル!

「嘘、待って、ああああああああああん!」

「やめてくれ、頼む」小池は頭を下げた。「頼むからやめてくれ」

「やめないよ」

「あああああん! あああああん! やめて、やめて・・・あああ・・・嘘、待って、無理無理無理!」

一気に来た。

(ヤダ、どうしよう、イッちゃう!)

彩は仰け反って悶えた。

「片瀬さん、やめて、一生のお願い・・・あああああん!」

ダメだ。どうにもならない。気持ち良過ぎる。

「あああああん! あああああん! あああああ・・・あっ・・・・・・あああ・・・」

イカされた。

「お、落ちた?」

答えないと止めてくれない。彩は敗北感を噛み締めながら言った。

「落ちた」

「かわいい」

片瀬はスイッチを切った。

「はあ、はあ、はあ・・・」

憎き犯人に責められて、どうやら彩は昇天してしまったらしい。小池には理解できなかった。

「さやかチャン・・・」

彼女をなじるような表情を見ると、片瀬が言った。

「小池刑事。さやかチャンを責めるのは間違っているよ。無抵抗の状態で女の弱点を責められたら、女の子は耐えられないからね」

「・・・・・・」小池は怒鳴るのを我慢していた。

「女は好きな男に抱かれて初めて感じるものなんて嘘だ。急所に入っちゃったら耐えられないよ」

彩は半失神の状態で、目がうつろだ。片瀬は彼女のセクシーなおなかに手を置く。

「大丈夫か?」

「ダメ」

「かわいい」

「さやかチャン」小池は怒りと悔しさで戦慄していた。

そのとき。

バタバタと凄い音がしたかと思うと、四方八方から警官が雪崩れ込んで来た。

「嘘」片瀬は目を丸くした。

「課長!」小池も驚く。

刑事課長の増永は、怖い顔で睨んだ。

「片瀬晴久。監禁及び婦女暴行未遂の現行犯で逮捕する」

大勢の警官に囲まれていたので、もはや逃げようともしなかった。片瀬はおとなしく逮捕され、すぐに連行されていった。

小池も自由の身となり、彩はバスタオルを体に掛けられてから手足をほどかれた。

「大丈夫か?」増永課長が聞く。

「・・・大丈夫です。レイプはされてませんから」

この一言に、男の刑事たちは安堵した。全裸で手足を縛られている姿を見たら、普通は絶望的だと感じる。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫