《MUMEI》
2
彩は緊張しながら奥へ入った。この緊張感がたまらない。バッグを置くと、イスにすわる。片瀬はアイスウーロン茶をテーブルの上に置いた。

「どうぞ」

「ドーモ」

彩は片瀬を信用してゴクゴク飲む。喉が渇いていたので一気に飲みほした。

「ふう、おいしい」

1分もたたないうちに、下半身が疼いてきて、彩は焦った。

(あれ?)

媚薬を入れられたか。体の様子がおかしい。彼女は思わず下腹部をさわる。

「あ・・・」

かなり強烈な媚薬を入れられた可能性がある。愛液が溢れて止まらない。

(卑怯なことする)

彩は片瀬を怖い顔で睨むと、言った。

「ウーロン茶に何か入れたでしょう?」

「え?」

「とぼけないで」

すると、片瀬も怖い顔で彩を睨んだ。

「何、冤罪で引っ張る。証拠はあんの?」

「え?」

「いいよ、キッチンでも冷蔵庫でも戸棚でも調べな。その代わり何も出て来なかったら、1時間くすぐりの刑だよ」

気まずい空気は良くない。危険度が高まる。彩は笑顔になると、頭を下げた。

「ごめんなさい。あたしの勘違いです。許して。そんな怒らないでよ」

「ハハハ、わかってくれればいいんだよ、婦警チャン」

しかし媚薬を入れたのは間違いない。下半身の疼きが治まらない。

(あああ・・・情けない)

この状況でマッサージベッドに寝たら、どれだけ気持ちいいかわからない。彼女の中で理性と欲望が葛藤していた。しかし欲望パワーは凄い。肉体を支配し、理性をも吹っ飛ばしてしまう。

「婦警さん」

「ん?」

「ベッドに寝てみます?」

「寝るわけないじゃない」

「大丈夫。きょうはまじめなマッサージだけだから」

彩は立ち上がった。

「やっぱりリモコンでコントロールしてたのね」

「ハハハ」

「じゃあ、ほかのまじめなマッサージチェアも、全部SMマシーンなの?」

「それは企業秘密ですよ」

彩は体じゅうが火照ってきて困った。全身が敏感になっているような気がした。

「まじめなマッサージなら、水着でOKよね?」

「いや・・・やっぱり全裸になってもらいますよ」

「おかしいじゃない。全裸になる必要ないでしょ」

彩は笑顔で睨むと、水着を身につけたままベッドに寝転がった。片瀬はリモコンを操作する。すぐに黒いハンドが彩の両腕両脚をマッサージした。

「んんん・・・」

やはり感度が良くなっている。手足をマッサージされただけで妙な気持ちになってきた。

「んんん・・・気持ちいい」

「気持ちいいでしょう?」

「凄く気持ちいい」

うっとりした表情の彩が魅惑的で、片瀬の興奮も最高潮だ。彼女が無抵抗なのをいいことに、水着の紐を引っ張る。

「あああ、やめて!」

「やめないよ」

あっさりブラジャーを剥ぎ取ってしまった。

「ちょっと、恥ずかしい!」

今度はビキニの紐を引っ張る。彩は真っ赤な顔で身じろぎした。

「待って、待って、それだけは許して・・・あああああ!」

最後の一枚も脱がされ、素っ裸にされてしまった。

「恥ずかしい! 恥ずかしい!」

こうなればこっちのものだ。片瀬はほくそ笑んだ。マッサージベッドが激しく動き出す。下から肩、背中、腰、そしてお尻を性感マッサージする。

「あああああん! こらあ! どこがまじめなマッサージなのよ!」

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