《MUMEI》 たたかい青いクマは戦っていた。黄色いクマと。青いクマは借りてきたハサミに息をフッと吹き掛けた。 黄色いクマは鉄パイプを地面に叩きつけ言った。 「いいハサミじゃないか。俺の鉄パイプと交換してくれないか?」「冗談はよしてくれ。このハサミは私の命。貴様なんかに渡すものか!」 黄色いクマは不敵に微笑み、手榴弾を青いクマに投げつけた。 ドーン。 辺り一面爆風に包まれた。 数分後瓦礫の下から青いクマが傷だらけの姿で這い出てきた。 「チクショウ。卑怯だぞ黄色クマ!そういうのは禁止だっていっただろ。チクショウ。チクショウ。チクショウ」 黄色いクマは瓦礫の上で恍惚とした表情のまま言った。 「まさか俺が手榴弾を隠し持っているとは思わなかっただろ?ははは先手必勝!」 「チクショウ…」 青いクマは気を失ってしまった。 気が付けばそこは布団の上だった。隣には人間(ハサミを貸してくれた人)があぐらをかいて座っていた。 「傷だらけじゃないか。喧嘩でもしたのか?俺の名前はトオルって言うんだ。よろしくな」 前へ |次へ |
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