《MUMEI》
秘密
   〜麗羅視点〜


歩は、少し切ない笑顔を

私に向けた後に


そっと優しく微笑んだ。


そして歩の制服を


掴んでいる私の手を


両手で優しく包み込んだ。


そして今まで

聞いたことのないくらいの


優しい声で囁く。


「麗羅・・・。


俺は、ずっと麗羅の側に居るよ。


俺の手で安心できるなら


いつだって


俺の手で


麗羅を包み込むよ。


俺は、絶対


麗羅から離れていったりしないからね。」



今日嫌というほど


泣いたにも関わらず


私の瞳からは


また水の雫が


流れ落ちていくのを感じた。



私のお父さんが


してくれなかったことを


歩が、してあげるよ


っと言ってくれているみたいで


本当に嬉しかった。



歩に、"麗羅"って呼び捨てで呼ばれて


少しドキッとしてしまったのは


歩には・・・秘密。

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