《MUMEI》

お嬢様のそばにいていいのも私だけ。
触れていいのも、話していいのも…犯していいのも、私だけ。

「消毒してさしあげますね。このままだと、私の気が狂いそうです」
「消毒って、なに…っ!?ん、んぅっ…」

深く口づけ、強引にお嬢様の口内に舌をねじ込む。
どれほどこうしているところを想像したことか…
舌を絡め、角度を変えながら深くキスをする。

「せいっ…んっ、やめっ…!」
「ん、お嬢様…んんっ…」
「助、けっ…!」

お嬢様が呼んだ名前。
それはお嬢様の婚約者の名前。

「……ああ、ムカつきますねぇ…私の方がお嬢様を愛しているというのに…」

何故お嬢様は私を見ない?
こんなにも愛しているのに。
私からお嬢様を奪ったあの男…そして旦那様や奥様が許せない。

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