《MUMEI》

「琴美さん、私と…付き合ってくれませんか」

突然の告白。
目の前にいる男性は高校三年の先輩。
優しい性格、文武両道、そして何より格好いいから女子に人気の先輩。
こんなオレでも好きな人がいた。
好きな人っていうのは、その目の前にいる先輩。
だから、嬉しい。

「返事は…?」

不安そうに問いかけてくる先輩。

「っよろしく、お願いしますっ!」
「!…嗚呼…良かった…。ふられたらどうしようかと…。好きです…琴美さん。好きです……好きです…」

抱き締められ、耳元で何度も好きと囁かれる。

「キス…してもいいですか?」

先輩の頬は紅潮し、熱のこもった瞳で見つめられる。
頷くと嬉しそうに微笑む先輩。
頬に手を添えられ、目を閉じていると熱い吐息が近づいて唇が重なった。

「んっ……は…琴美さん…琴美さん……っん…」
「せんぱっ……んぅ…」
「はぁっ…可愛い…愛してます…愛してますよ…琴美さん……んっ……」

唇を離されてはまた口づけられる。
何度も名前を呼ばれて、愛をささやかれて。

「んぁ…っ、もっ…待っ…」
「まだ…足りない…舌、出してくれませんか…?もっとあなたを味わいたい…」
「さっ、流石にまだっ…そのキスはもっと…時間が経ってからじゃなきゃ…」

舌を出してと言われ、頬に熱が集まるのが分かった。
そんなキス、まだ出来ない。
心の準備がまだできてない。
それに、ほんとうに付き合ったばかりだし…。

「気持ちよくしてあげますから…ほら、こうして……んっ…」
「んっ…ふぁ…!?」

けれど再び口づけられ、舌が入り込んでくる。
口内が先輩の舌で犯されてる。
ひとしきり犯されると、今度はオレの舌を器用に絡め捕られた。

「んっ、ふ…ぁ…」
「んっ…」

息が苦しくなり、先輩の胸板を軽く叩くと離してくれた。
先輩の頬は相変わらず紅潮しており、興奮しているのか息が少し荒い。
目も潤んでおり、凄く色っぽい。

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