《MUMEI》
2
両手首を拘束されているから、どうすることもできない。

「あああああ! 折れる、やめろバカ」

「降参しないなら折るよ、いいのう」

「くううううう・・・」

あまりの痛さに弱気な顔になってしまう茉優がかわいい。田口は興奮の坩堝だ。

「降参って口にしたら許してあげるけど、強がるなら本当に折っちゃうよ」

茉優は限界だった。しかし憎き犯人に降参はできない。

「折れ!」

「君はイノキか」

「折れ!」

足4の字固めを掛けながら、田口は感動した。

「素晴らしい根性の持ち主。じゃあ、遠慮なく折るよ」と両脚に力を入れる。

「バカ待て・・・あああああ! あああああ! あああああ!」

両目から涙を流し、弱気な泣き顔で田口を見つめてしまう茉優。

田口は勝ち誇ったが、降参はしないだろうと思ったので、言った。

「武人の情けだ。技を解いてあげようか」

「・・・・・・」茉優は唇を噛み、頷くことはできないが、代わりに田口を見つめる。

「技を解いてあげようか」

「・・・・・・」涙を両目に溜めて田口を見つめる茉優。でも頷かない。惚れそうにかわいい。

「素晴らしい」

田口は技を解いた。

「あああ、はあ、はあ、はあ・・・」

仰向けに倒れ込み、息を乱す茉優。脚をさすりたいが、両手首を縛られているので無理だ。

「はあ、はあ、はあ・・・」

汗をびっしょりかいて息を弾ませる全裸の女刑事。絵になる。胸は隠せないが、両膝を曲げて股を隠すとは乙女だ。

田口は心底興奮し、茉優を気に入った。

「茉優ちゃん。君のようなタフなヒロインなら、僕と拷問ごっこできそうだね」

「やめなさいよ、両手を縛るなんて卑怯よ」

「大丈夫。アジトに連れて行ったら両脚も拘束してあげるから」

「やめなよ」

「全裸で大の字拘束がSM拷問プレイの基本でしょう」

「プレイじゃない。犯罪でしょ」

田口は笑みを浮かべると、「ちちんぷいぷい」

「やめろ!」

「お寝んねえ!」

「あっ・・・・・・」

意識が遠のく。全裸なのだ。女がこの状態で気を失ったら何をされるかわからない。

「あああ・・・」

しかし、茉優は眠ってしまった。

「むふふふ。かわいい寝顔」

田口は茉優の美しい裸体をじっくりながめる。豊かな胸。セクシーな美ボディ。見事な美脚。裸婦こそ最高の芸術だ。

正義のヒロインが、敵の目の前で無防備に全裸を晒したまま気絶している。田口は欲望を抑えきれない。

「さあ、強気の茉優ちゃんに泣きながらごめんなさい許してと哀願させてみせるよん」

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