《MUMEI》
あれから
聖羅と別れて、地元を離れてから、もう四年もたっていた。
「あれからもう四年か…。」時の流れの速さを思い知った。
そしてふと、聖羅が寝ている部屋に入っていった。
聖羅が寝ているベッドに腰を下ろす。
聖羅の寝顔を見て思った。四年前とは全然違うと。
もともと綺麗で美しい顔立ちだった聖羅は前にも増して美しくなり、身長も伸び、大人ぽく、女らしくなっていた。スタイルも抜群だ。そこら辺の男がほっとくわけがない。
なのに…。
「聖羅…。なんで俺なんだよ…。」
と聖羅の耳元でポツリと呟いた。
その声は少し悲しそうだった。
佐山は聖羅が起きない様に、そっと部屋を出ていった。
佐山は聖羅と別れてから今の様な、少し冷たい人間になっていたのだ。昔は明るくて優しい人であった。
聖羅も佐山と別れてからは1度も彼氏を作っていなかった。
聖羅が佐山を忘れられない証だった。

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