《MUMEI》 3千香は犯人を見つめながら、口を真一文字にすると、上着を脱いで長イスに置く。犯人は興奮の面持ちで千香を見ていた。嶋田も千香を直視している。 彼女は赤面すると、靴を脱ぎ、先に下を脱いだ。ストッキングは穿いていない。見事な美脚が披露され、犯人の男の目が丸い。 「かわいい・・・」 白いブラウスと見事な脚線美。ちょうど「男のロマン・彼シャツ」のような感じになり、犯人は心身ともにエキサイトして、千香を犯したくなった。 千香はゆっくりとボタンを上から一つ一つ外し、ブラウスも脱ぐ。セクシーな水色のブラジャーとショーツに、犯人の男のもともと低い理性は、万里の果てまで飛んでいった。 「武人の情けです。下着は許してください」 真っ赤な顔で哀願する女刑事がかわいい。犯人は燃えに萌えた。全裸にしたい気持ちもあったが、あまりにも美しい下着姿を、少し堪能したくなった。 「よし、武人の情けだ。下着は勘弁してあげよう。その代わり仰向けに寝ろ」 「え?」 「いいから仰向けに寝ろ。刑事は油断ならねえからな」 「それは・・・お断りします」 「じゃあ、女子行員が一人犠牲になるぞ」 犯人のセリフに、女子行員は一斉に下を向いた。目が合って選ばれたら怖い。 「わかったわ。その代わり、絶対に撃たないって約束してください」 「おまえがヘタなまねしたら撃つぞ」 「ヘタなまねなんかしないわ」 千香は警戒しながら、ゆっくりと床に仰向けに寝た。可憐な美人刑事が、下着姿で床に寝る。嶋田は、普通では見られない光景に出くわし、胸の鼓動の高鳴りを抑えることができない。 「よし、両手を頭の後ろに組め」 言われた通りにするしかない。しかし、かなり無防備な体勢で、千香は胸のドキドキが止まらない。 「脚を開け。もっと。もっとだ」 千香は唇を噛むと、目一杯両脚を広げた。犯人の男は、千香の脚と脚の間にしゃがむと、何と銃を彼女の股に突きつけた。 「あああああ!」 「さあ、どすうる?」 笑う男に、千香は真っ赤な顔で言った。 「危ないから銃をどかして、暴発したらおしまいだから、お願いします、銃をどかして」 「怖いか?」 「怖いわやめて」 震える女刑事がそそる。男は銃で股をグリグリして遊んだ。 「やめて」 「じゃあ、スッポンポンになってもらうぞ」 「わかった、全裸になりますから、お願い、銃をどかして」 美人刑事に弱気な顔で哀願されると、愛しさが芽生える。こんなかわいい女の子を殺す気はさらさらない。確かに暴発して死なせてしまったら大変だ。犯人は銃を上げた。 「さあ、脱げ」 千香は上体を起こすと、ブラジャーを外す格好をする。まさか本当に全裸になるのか。嶋田は千香を凝視していた。 油断しきっている犯人の男は、淫らな笑顔で千香を見ている。次の瞬間、千香は男の顔面に強烈なキック! 「があああ!」 口が切れて血しぶきが飛んだ。空手の黒帯に素足で蹴られたら、凶器攻撃と同じだ。千香は怒りの形相で素早く立ち上がると、腕をつかみ、捻り、胸に膝蹴り! 「がっ・・・」 手首を手刀で叩き、犯人が銃を落とすと、合気道の技でそのまま仰向けにひっくり返し、関節を決める。 「痛い、アタタタタタタタ・・・」 警官が突入した。あっという間に犯人を逮捕。刑事課長は、千香を見た。 「大丈夫か?」 「大丈夫です」 「よくやった。本当によくやった」 人質を一人も傷つけずに、もちろん女子行員が裸にされるような辱めを受けさせることなく、犯人を逮捕することができた。刑事課長はホッと胸を撫で下ろした。千香に感謝してもしきれない。 千香は、同僚の警官たちに下着姿を見られることもお構いなしに、すました顔で服を着ている。一部始終を見ていた嶋田は、感嘆した。 (カッコイイ) 「怪我はありませんか?」 警察に聞かれ、嶋田は低い声で答えた。 「大丈夫です。一人で歩けます」 彼はもう一度千香のほうを振り返った。彼女はもうすでにスーツを着ている。 (・・・千香っていうのか。惚れたぞ) 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |