《MUMEI》
拷問研究所 1
きょうは刑事課の仕事ではなく、特殊班の部屋にこもり、パソコンの前にすわっている二人、塩刈千香と三上瑠璃子。

ハッキングができる腕を持つ二人は、怪しいサイトを常に探し、犯罪を未然に防ぐ。

瑠璃子は背中まで届きそうな長い黒髪がよく似合う。華奢で童顔なので一見すると18、9の少女に間違えられるが、22歳だ。千香よりも3歳年下だ。

瑠璃子は持って生まれた色気がある。彼女は男心をくすぐる術に長け、真っすぐ見つめる瞳から放射される魅力光線で、悪党をも翻弄する正真正銘の小悪魔だ。

千香は「ん?」と身を乗り出し、パソコン画面を見る。「アニマル拷問研究所?」彼女は、危ないやりとりを見つけた。

嶋田「拷問の中でも一番残酷なのはアニマルを使った拷問だ」

弓矢「アニマル?」

嶋田「女を全裸にして手足を拘束して無抵抗にして、アニマルにレイプさせるんだ」

弓矢「それはまた鬼畜ですね、ボス。で、どんな動物を使うんですか?」

嶋田「大型犬だ。バター犬も興奮するな。女を全裸にして大の字に拘束して、股にバターを塗りまくり、熊か馬かと思うような獰猛でデカイ犬にベロベロ舐めさせる。誇り高き女にとってこれほどの屈辱的な仕打ちはあるまい」

見逃せないメールのやりとりに、千香は顔をしかめた。瑠璃子も同じ画面を見ている。

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