《MUMEI》
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「千香さん、これチャットみたいなもの?」

「たぶんね」

「怪しいですね」

「もう少し注視してみよう」

千香もバター犬の餌食にされた経験があるので、怒りの表情に変わっている。彼女は敵の手に落ち、素っ裸にされて手足を大の字に拘束され、股にたっぷりバターを塗られ、大型犬に股をベロベロ舐められた。あんなに悔しいことはない。

悪夢が蘇り、胸がドキドキする。

嶋田「あとはイルカだ。イルカは女の股を執拗にツンツンする習性がある。訓練すれば拷問イルカも夢ではない」

弓矢「ワクワクしますね。美人の困り果てる姿は最高に興奮しますから」

嶋田「最初は生意気で強気に出ていた女が、泣きながらやめてやめてと哀願する。その変化が面白い」

弓矢「勝気な女のほうが楽しめます。裸にする前からギャーギャー泣かれたんじゃ何もできませんからね」

嶋田「一番の鬼畜プレイといえば、女を四つん這いに拘束して、大型犬にレイプさせることだ」

弓矢「それは残酷過ぎますよいくら何でも」

嶋田「号泣しながら懇願する女がかわいいんだ。それだけは許してとな、ハハハ」

瑠璃子は思わず言った。

「この二人、逮捕できない?」

「まだ無理よ。もう少し動かぬ証拠が欲しいわね」

二人はさらに調べる。

「嶋田刃条・・・何て読むの?」千香が首をかしげる。「はじょう? 身長180センチ。50歳。飲食店を経営しているのか。でもそれは表の顔かも」

「裏の顔は、性犯罪者。まさかリョナマニア。それとも獣姦マニア? こんな悪趣味な人間を野放しにするのは危険よ。早く捕まえないと」

犠牲者が出てからでは遅い。しかし犠牲者が出ないと逮捕は難しいか。千香は瞳を閉じた。かなり危険だが、囮捜査で証拠をつかみ、自分が犠牲になる前に逮捕できれば良いが。

「飲食店なら入り込みやすいね」瑠璃子が気軽に言った。

「客よりも店員として入り込めれば一番いいんだけど」

「あたしがやりますよ」

「待って」千香は考えた。「やっぱりあたしがやる」

瑠璃子は真顔で千香の横顔を見る。

「もう一人は、弓矢孝之。身長170センチ。28歳。やっぱり嶋田が経営している店で働いているわね。マネージャーか」

「千香さん、大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。いざとなった時、やっぱり格闘技をやっているあたしのほうがいいと思うから」

確かに格闘技では、瑠璃子よりも千香のほうが上だった。しかし本音は違う。獣姦マニアかもしれない危険な連中のアジトに潜入するとなると、大切な後輩の瑠璃子に、そんな任務はやらせたくなかった。

千香は詳細を上層部に連絡し、指示を待った。今回もかなり危険な任務だが、犠牲者が出てからでは手遅れだ。

(何が大型犬よ。何が拷問イルカよ。舐めるんじゃないわよ)

女を食い物にする性犯罪者は絶対に許さない。千香は正義の怒りに燃えた。

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