《MUMEI》
9
両耳、左右の乳首、おなか、そして股に何本もの電マが直撃する。

「あああああ! やめて、あああああん!」

これはダメだ。これは無理。生身の肉体だ。気持ちいい。気持ち良過ぎる。耐えられない。

「やめて、やめて、お願いやめて・・・あああああ! いやあああああん! あああ・・・ダメ、ヤダヤダヤダ、待って、待って、待ってください、ああああああああああん!」

イカされた。もう立ち直れない。

「あ、千香落ちたな」

電マ攻撃をやめる。千香は沈んだ表情で息を乱していた。

「はあ、はあ、はあ・・・」

嶋田は千香をじっと見ている。大嫌いな男に責められて二度も落とされる。さぞかし悔しいだろうと、千香の気持ちを察した。ヒロインが憎き敵に落とされるというのも、萌えるシチュエーションなのだ。

弓矢は千香のセクシーなおなかを触ると、言った。

「千香。気持ちいい目に遭うことなんて拷問のうちに入らないぞ。拷問というのは痛くて苦しいもんなんだ」

千香は横を向く。好きでもない男に強制的にイカされることが、女にとってどれだけ屈辱的なことか。

(このバカには一生わからないだろう)

「千香。いよいよ拷問の本番だぞ。それともボスの部下になる決心がついたか?」

黙って返事をしない千香に、弓矢は燃えた。生意気な態度を取るなら、罪悪感も薄らぐというものだ。

「おい、例のアレを持って来い」

「アレですか?」

「そう、アレだ」

「ちょっとかわいそうな気が・・・」

「千香は一度痛い目に遭わないとわからないタイプらしい」

千香は焦った。別に生意気な態度なんか取っていない。

「千香。おまえはMだから痛いの好きだろう」

「好きなわけないし、あたしMじゃないから」

「どう見てもMだろう」

「MとかSとかくだらない」

言っているそばから生意気な態度を取る千香に、弓矢は迫る。

「そういう態度なら泣かすぞ」

男が小さな水槽を持ってきた。千香は水槽を見た。何か生き物が入っている。

「千香は、スッポン好きか?」

「え?」

「スッポンポンじゃないぞ。スッポンだぞ」

ということは、水槽の中にいるのは、スッポン。

「待って、何をするつもり?」

いきなり低姿勢になる千香がかわいい。弓矢は水槽からスッポンを出し、両手で持って千香に見せた。

「ジャーン! さあ、スッポン君、千香お姉さんだぞ、美人は好きだろ」

「待って、弓矢さん」

「名前なんか呼んだってダメだぞ」

何をされるかがわかり、千香は激しくもがいた。

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