《MUMEI》
10
「待ってください、それだけは待ってください」千香は嶋田を見つめた。「助けてください、部下になります」

すると、嶋田は怖い顔をしてベッドに歩み寄る。

「今のは嘘偽りのこの場しのぎだね?」

「違います」

「もう君には愛想尽きた」

「え、何で?」

「弓矢。構わんぞ」

「御意」

嶋田が下がる。弓矢はスッポンを千香の脚と脚の間に置く。まだ両手でスッポンを捕まえている。千香は生きた心地がしない。

「やめて、危ないから、お願いです、やめてください」

「スッポンにオマタをカミカミされて、千香がギャーギャー泣き叫ぶ姿が見てみたいな」

何て恐ろしいことを言うのだろうか。冗談なのか。本気だったら困る。千香は胸のドキドキが止まらない。

「やめてください弓矢さん。言うことは聞きますから」

「ダメだよ、女刑事が簡単に屈服しちゃあ」

「だって・・・」

弱気丸出しの千香がかわいい。弓矢孝之は内心でほくそ笑む。千香は恐怖におののいた。スッポンに噛まれたらどうなるのか。大怪我してしまうのか。大切なところを破壊されたら・・・。想像してまた哀願した。

「弓矢さん、どうしたら許していただけますか?」

「絶対に許さないよ」

そう言うと、情け容赦なくスッポンを放した。スッポンは勢いよくせかせかと前進し、千香の股の前で止まる。

「やめて、やめて、やめて」

慌てふためく千香。スッポンは口を大きく開けた。

「許して、許してください!」

スッポンは彼女の股にガブリと噛みついた。

「ぎゃああああああああああ! ぎゃああああああああああ! いやああああああああああ!」

かわいそうに、千香は数秒で気を失ってしまった。弓矢は余裕の笑顔でスッポンを両手で抱え、水槽に返すと、眠っている千香に呟いた。

「バカだな千香。これはオモチャだよ。そんな残酷なことするわけがないだろ。鬼じゃないんだから」

寝顔もかわいい。惚れそうだ。弓矢は味わうように千香の胸やおなかを触りまくった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫