《MUMEI》
13
一旦止めた。

「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ・・・」

「千香、とことん意地悪してあげるから覚悟しろよ」

「待って、待ってください、待ってください!」

待ってくれた。

「そこだけはやめて、そこは本当にダメですから、わかってください」

「そこってどこ?」

また意地悪を言う。千香は悔しかったが、電流拷問には耐えられない。

「く・・・クリトリス」

「クリトリスがどうした?」

「クリトリスだけは勘弁してください」

「何で?」

「痛いです。許してください」

「千香はMだから痛いの好きだろ?」

何を勘違いしているのか。千香は殺意が湧いたが、全裸で無抵抗では逆らえるわけがない。

「痛いのは嫌です。どうか許してください。お願いします」

「言いたいことはそれだけか」とリモコンのスイッチを押そうとする。

「待って、待ってください、待ってください!」

今度は待ってくれない。容赦なくスイッチオン! ビリビリビリビリビリ!

「ああああああああああん! いやああああああああああん!」

クリトリスとお尻と左右の乳首に電流を流され、千香は悶えた。

「やめてえええええ! 嘘、ちょっと待って・・・ああああああああああん!」

感じてきてしまった。拷問されているのに。千香は自己嫌悪に陥り、気が動転した。

「ああああああああああん! ああああああああああん!」

腰をくねらせる千香に、弓矢は首をかしげた。

「ああああああああああん! ああああああああああん! ヤダヤダ止めて止めて止めて・・・はああああああああああん!」

千香は愛液を飛び散らして激しく昇天してしまった。無念極まりない。

「あれれ、千香、まさかイッちゃったのか?」

「止めて、止めて!」

「質問に答えないと止めてあげないよ」

どこまでも辱める気だ。鬼だ。昇天直後なのに、ビリビリビリビリとクリトリスに微弱電流が流される。これはきつい。

「許して」

「イッちゃった?」

「お願い止めて」

泣き顔で哀願する千香がかわいい。弓矢はとことん意地悪する。

「イッちゃった?」

「許して」

「イちゃったかって聞いているんだぞ。イッちゃったって、かわいく言わないと延々電気拷問だぞ」

誇り高き女刑事をとことん辱める弓矢孝之。千香は精神的にも追い込まれた。

「・・・イッちゃった」

「かわいい!」

千香は真っ赤な顔をして唇を噛んだ。弓矢は感動の面持ちになると、電流を止めた。

「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ・・・」

「千香。電気拷問されてイッちゃうって、おまえはどんなM子だ?」

「・・・・・・」

「クリトリスを責められて感じちゃったの?」

悔しい。神経を逆撫でして怒らせようとしているのだろう。乗ってはいけない。磔にされているのに罵倒でもしたら、また意地悪されるに決まっている。

「もういいでしょう、やめて」

「質問に答えないならクリトリスとベロを同時に責めるよ」

「わかったやめて」それは絶対に困る。

「じゃあ、質問に答えな。クリトリスを電気で責められて気持ち良くなっちゃったの?」

「・・・はい」

「かわいい!」

弓矢は大喜びすると、機械のツマミを上げた。

「待って、それ以上ツマミは上げないで、本当に死んじゃうから。許してほしいから死ぬほど恥ずかしい言葉を口にしたんですよ。それはわかりますでしょ?」

「甘いよ千香。さっきみたいな微弱電流じゃなくて、本格的な電気拷問で責められて、千香がギャーギャー泣き叫ぶ姿が見てみたいじゃん」

「やめて、許してください、お願いします」

震える声で哀願しているのに、弓矢は全く容赦ない。

「行くぞ千香」

「やめて!」

ビリビリビリビリビリ!

「ぎゃああああああああああ! いやああああああああああ!」

千香は数秒でガクッとうな垂れた。完全に気を失っている。

「千香。おまえもプライド高いかもしれないけど、俺もプライド高いんだよ。中身空っぽ発言は絶対に許さないよ」

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