《MUMEI》
2
再び大型犬が襲いかかる。千香は失禁しそうな恐怖に戦慄した。

「やめて、助けて!」

今度こそ犬が千香の背後から突っ込もうとする。

「ヤダヤダヤダ! 絶対ヤダから許して! 絶対ヤダから許して!」

犬が離れた。

「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ・・・」

汗をびっしょりかきながら、振り向いて弓矢や犬を見る千香。嶋田が前から話しかけると、千香は哀願に満ちた目で嶋田を見つめる。

「千香君。犬は勘弁か?」

「勘弁してください。一生のお願いです」

「許してほしいか?」

「許してくださったら一生恩に着ます」

「よし、そのかわいさに免じて、犬だけは勘弁してあげよう」

千香は驚きの表情を浮かべる。大型犬は部屋の外に連れて行かれた。

「ありがとうございます」

お礼を言わないという理由で、また犬を連れ戻されたら困るので、千香は頭を下げた。

「チーカ」

また弓矢が馴れ馴れしくお尻を触る。千香は耐えた。

「怖かったか?」

「はい」

「犯されちゃうと思った?」

「絶対に許してくれると信じてました」

「相変わらず嘘がヘタだな」

「嘘じゃありません」

弓矢は千香のお尻を両手で触りまくる。

「女の子にとって、お尻は股を見られるよりも恥ずかしいってホント?」

「本当です」

「大丈夫だよ、千香のお尻は凄くキレイだから」

千香の顔が真っ赤だ。絶対に逆らえない相手に追い討ちをかける。卑劣だ。

「千香。女の子がお尻だけを突き出すポーズ見るとさあ、カンチョーしたくなるよね」

カンチョーと聞いて千香はドキッとした。女にとってこれ以上ない屈辱的な仕打ちだ。千香は口を真一文字にして黙った。

「千香。カンチョーして赤っ恥かかせてあげようか」

「・・・やめてください」

「やめないよ」

弓矢孝之は注射器を出した。千香は目を丸くすると、早口に哀願した。

「待って、それだけはやめて、それだけは許して」

「クックック。許さないよ」

弓矢は注射器でお尻を刺そうとする。針がお尻の中心に触れる。千香は暴れた。

「やめて、やめて、やめて」

「やめないよ」

全く情けも容赦もない。弓矢は千香のお尻に注射器を直撃!

「ああああああああああん!」

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