《MUMEI》
5
千香は水着のまま磔にされてしまった。そして、再びイルカが放たれた。

「ヤダ、やめて」

身じろぎする千香がかわいい。男たちの興奮も最高潮だ。イルカは千香の股をツンツン突く。

「あああああん! やめて、お願いやめて!」

「千香、イルカのクンニでイッたらダメだぞ」

弓矢の暴言に男たちが嘲笑する。しかしここは許してもらうしかない。

「孝之さん助けて、痛いから、ホントに痛いだけだからやめて」

「痛いのか?」

「痛いよ」

「本当は感じてきちゃったんだろう?」

愚かにもほどがある。こんなことされて感じるわけがない。

「やめて」

「気持ちいい?」

(バカかこいつ)

千香がムッとすると、イルカが股を甘噛みする。千香は泣き顔で叫んだ。

「あああああ! 痛い、イタタタタタタタ!」

本気で痛がっている様子なので、弓矢は千香に聞く。

「痛いか?」

「痛い痛い痛い、助けて」

「しょうがねえなあ」

イルカがまた離された。

「はあ、はあ、はあ・・・」

顔をしかめて息を乱す千香が色っぽく映る。弓矢は感動した。嶋田は黙って拷問プレイを見ている。

「千香。いい女はどんな表情も絵になるな」

「お願いほどいて」

「ほどいたら俺たちボコボコだろ?」弓矢が笑う。

「助けてくれたのに、どうしてそんなことするんですか」

「よーし、じゃあ、上げてやりな」

男たちが数人がかりで千香の手足をほどき、プールサイドに上げた。千香はすぐに立ち上がれずに、四つん這いになった。

「千香。股を見せてみな」

「え?」

「切れていないか」

「大丈夫です」

「切れてたらヤバイから見せてみろ」

「本当に大丈夫です」

弓矢は怒った顔をした。

「俺が嫌らしい意味で言ってると思うか」

「・・・・・・」千香は唇を噛んで弓矢を見上げる。

「心配しているのに、そういう態度ならもういいよ。今度は素っ裸でイルカと戯れてもらうぞ」

「待ってください」

「じゃあ、そこに寝な」

千香は仕方なくプールサイドに仰向けに寝た。弓矢は怪しい笑顔で千香のビキニの紐を引っ張り、剥がす。千香は観念したように赤面して横を向いた。

「お、大丈夫、怪我はしてないな」

「・・・・・・」

千香は起き上がると、ビキニをつけた。

「お遊びは終わりだ。これからボスと今後の打ち合わせをするぞ」

「・・・はい」

拷問はもうしないのか。千香は少し安堵したが、嶋田と具体的な話になる。こちらの胸の内を悟られたら、再び拷問部屋に連れて行かれる。

彼女は始めから警察を裏切る気など全くない。でも今は敵に屈した弱気な女を演じるしかない。

「・・・・・・」

無表情の嶋田刃条は、千香を見つめると、背を向けてプールから出て行った。勘が鋭い男だと危ない。千香は胸をドキドキさせながら、弓矢たちのあとに続いた。

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