《MUMEI》 5瑠璃子は全裸のまま拷問部屋に連れて行かれた。 「そこに寝ろ」 床には手枷足枷がついている。瑠璃子は躊躇した。これで手足を縛る気だ。全裸で大の字拘束にされたら、好きにされてしまう。拷問とレイプの恐怖に、彼女は恐れおののいた。 「武人の情けです。残酷なことだけは許してもらえますか」 「寝ろって言ってるのが聞こえないのか」 小悪魔戦法が通用しない。瑠璃子は沈んだ表情で仰向けに寝た。男たちは彼女の両腕をバンザイにして、両手首を手枷で拘束する。 次は脚だ。両側から両脚を引っ張られて、これ以上開けないほどの大股開きにして足首も足枷で拘束する。誇り高き女刑事に裸で大開脚。わざと屈辱的なポーズを取らせるのがSの基本だ。 「さあ、瑠璃子。嘘つきは泥棒の始まりだぞ。何が記者だテメー」 「ごめんなさい、許して」 「許すわけないだろ」 「あの、一つ質問していいですか?」 弱気丸出しの表情がかわいい。弓矢は言った。 「どうせ時間稼ぎだろうけど、付き合ってやろう。どっちみちおまえは逃げられないんだから」 「千香さんは無事ですか?」 「自分の心配をしろ」 瑠璃子は、弓矢の目を真っすぐ見つめる。 「千香さんにはまさか、酷いことはしてないですよね?」 「泣かせるね。女の友情か、麗しいぜ。まあ、全裸にして多少触ったけどな。まだレイプはしていない」 「・・・・・・」 今はその言葉を信じるしかない。レイプをされたのと、されないのでは、女にとって天地の差だ。かなりの長時間監禁されて、本当にレイプをされていないとしたら、奇跡的なことだ。 「レイプしようと思ったんだけどな。プライドの高い千香が泣きながらやめてやめてって哀願するから、許してあげたんだ」 「・・・千香さんが」 「最初は凄く生意気な態度だったぞ。おまえら本当に勇敢だ。千香も全裸にされて手足を拘束された状態なのに、かなり強気な姿勢だったからな」 「それでどうしたの?」 「お尻に45度のお湯を直撃したら、あっさり降参しちまった。泣き顔で哀願するのが凄くかわいかったんで、許してあげたんだ。口ほどにもなかったな、ハハハ」 あの誇り高き千香が、真っ裸にされただけでも我慢ならないことだが、敵の拷問に屈して哀願してしまうのは、さぞかし耐え難い屈辱だっただろう。瑠璃子は想像して怒りが込み上げてきた。 「卑怯なことするのね」 「はあ?」弓矢は目を丸くした。「瑠璃子、今何て言った?」 「別に」 「別にだあ?」 弓矢の合図で男たちが瑠璃子の前にしゃがむ。そして、一斉に全身くすぐりの刑だ。 「ちょっと待って・・・きゃはははっははははは・・・待って・・・あはははははは、いやははははははは」 瑠璃子は真っ赤な笑顔で悶え苦しむ。 「わかったっははははは、やめて・・・あはははは、いやははははひははは・・・許して、かやははははは」 笑顔から泣き顔に変わり、歯を食いしばって顔を左右に振り、完全にギブアップの表情だが、男たちはくすぐりをやめない。 もう言葉を発することもできない。息もできない様子。しかし許さない。全裸美女が全身をくすぐられて、腰をくねらせ、激しくもがく姿は興奮ものだ。しかし本人は苦しいだけだ。 脇の下、脇腹、おなか、腰、足の裏など、全身のツボを六人がかりでくすぐりまくられて、瑠璃子はどうしていいかわからなかった。 「瑠璃子、降参か?」 瑠璃子は泣き顔で何度も頷く。 「参ったか?」 必死に頷く。弓矢の合図でくすぐりはやめた。 「うううううん・・・」 よほど苦しかったのか、瑠璃子は横を向くと、声を上げて泣いた。 「お、泣き入っちゃったか」 瑠璃子は屈辱的な仕打ちに体が震えた。泣かされるなんて、本当に悔しい。 前へ |次へ |
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