《MUMEI》
7
全く情けも容赦もない。犬が瑠璃子の股をベロベロ舐める。信じ難い屈辱に、瑠璃子は気が動転した。

「やめて! お願いやめて!」

左右の胸もおなかも、大型犬がベロベロ舐める。何とおぞましいことか。弓矢は言葉で追い討ちをかける。

「瑠璃子。左右の乳首とオマタを同時にワンコーにベロベロされて、さぞかし悔しいだろ。ダメだぞ、気持ちよくなってアンアン言ったりしたら」

弓矢のあり得ない暴言に殺意が湧いた。しかし罵倒は禁物だ。瑠璃子はひたすら懇願するしかなかった。

「やめて、お願いですからやめてください」

「犬のクンニはどうだ? イッちゃいそうか」

わざと神経を逆撫でしているのだ。挑発に乗ってはいけない。瑠璃子は最悪の恥辱に耐えた。

無抵抗ではどうすることもできない。全身を犬にベロベロ舐められて、頭の中が真っ白だ。瑠璃子は哀願をやめた。必死に哀願する姿を見て楽しんでいるとしたら、哀願は男たちを満足させるだけだ。

「んんん」

瑠璃子は口を真一文字にすると、何も言わずにじっとしていた。

「どうした瑠璃子?」

「・・・・・・」

「あ、そういう生意気な態度取るなら残酷刑しか待ってないぞ」

弓矢の脅し文句に一瞬ドキッとしたが、瑠璃子は黙ったままだ。

「瑠璃子。かわいくやめてやめてと哀願しながら、色っぽく女の子らしく悶えたら残酷刑は許してあげるぞ、どうする?」

それでも瑠璃子はじっとしている。おぞましくてもがいているのに、感じているなどど誤解されては心外もいいところだ。瑠璃子は体を動かさず、無表情でいた。

「よし、瑠璃子が警告を無視したので、残酷刑開始だ」

残酷刑とは何をやるのか。でも一旦バター犬からは逃れられる。そう思った瑠璃子が甘かった。誰かが口笛を吹くと、大型犬は瑠璃子の上に覆いかぶさる。

「え?」

赤黒いグロテスクなモノが見えた。大型犬は、瑠璃子の股にその凶器を突っ込もうとしている。残酷刑の意味がわかり、瑠璃子は泣き叫んだ。

「やめて! 助けて、助けて、助けて!」

「残酷刑はおまえが望んだことだぞ」

「ごめんなさい許して、それだけは許して、何でも言うこと聞きますから!」

瑠璃子を犯そうとしていた犬が、一旦離れた。

「はあ、はあ、はあ・・・」

「どうしようかな、意地悪して犯しちゃおうかな、許してあげようかなあ」

「許してください、一生のお願いです」

両目から涙を流している瑠璃子に、僅かな慈悲心がくすぐられる。

「わかった。獣強姦の残酷刑だけは勘弁してあげよう。俺って優しいだろ?」

「優しいです」即答するしかなかった。

五匹の犬は連れて行かれた。九死に一生を得た瑠璃子は、心底参っていた。

「はあ、はあ、はあ・・・」

「瑠璃子。ダメだと思ったか?」

「絶対に許してくれると信じてました」

「よく言うよ」

弓矢は危ない笑顔で瑠璃子のおなかに手を置く。

「瑠璃子。今度生意気な態度取ったら容赦しないぞ」

「やめて」

「泣きながら哀願しても入れちゃうからな」

「それだけはやめてください」

本心だった。それだけは許してもらうしかない。

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