《MUMEI》
8
「逃がさないぞ千香」

うつ伏せになった千香の両腕を背中でクロスさせると、一人が素早く手錠をかけた。

「あああああ!」

しまった! 手錠をかけられたら完全に無抵抗だ。男たちは水着姿の千香を仰向けにひっくり返すと、両足首も足枷で拘束した。

「やめて、ほどいて!」

「せっかく縛ったのにほどくわけないじゃん」

白いビキニで身じろぎする千香がたまらなくセクシーだ。男たちは燃えた。

「さあ、千香、もう逃げられないぞ、どうする?」と電動マッサージャーのスイッチを入れる。

「待って、待って!」

待ってくれない。無防備な股に直撃する。

「あああああ!」

手足を縛られては抵抗できない。千香は激しくもがいた。

「やめて、やめて」

「かわいいこいつ」

「素っ裸にしてジカに直撃したらどうなる?」

「やってみようか」

千香は目を丸くすると、真っ赤な顔で哀願した。

「やめて、水着は許してお願いだから・・・あああああ!」

ブラジャーを取られた。次は最後の一枚だ。千香は暴れたが、下もあっさり剥ぎ取られた。

「いやあああああん!」

「さあ、泣かせ!」

全裸で手足を縛られて無抵抗の千香の股に、電動マッサージャーが押し当てられる。千香は仰け反って悶えた。

「あああああん! やめて、やめて、お願いだからやめて」

「やめるわけないじゃん」

「落としちゃえ」

「あああああん!」

その時、内線が鳴った。一人が出る。

「はい」

『私だ。千香を出しなさい』

「はい」男は受話器を千香の耳に当てる。「ボスからだ」

「嶋田さん?」千香は真顔になると、話した。「千香です」

『君の仲間の刑事に、三上瑠璃子という名前の女はいるか?』

「!」

瑠璃子が来たのか。まさか監禁されてしまったのか。

「いえ。そういう名前は知りませんけど」

『とぼけたら犬に全てを奪われることになるぞ』

「嶋田さん。あたしは部下じゃないんですか。大切な部下にそんな残酷なことをするんですか?」

『まあ、そう怒るな』

「別に、怒ってませんけど・・・あっ」

通話中に股を弄られて、千香は赤面しながら話した。意地悪にもほどがある。

「その瑠璃子という女性が・・・どうかしたんですか・・・あん」

『千香。息遣いが荒いけど大丈夫か?』

「だ・・・いじょうぶです・・・あっ」

『一旦切る』

電話は切られた。瑠璃子が危ない。助けないと。

(やられちゃう)

千香は急に色っぽい顔をすると、唇を尖らせる。

「やめてよ、変な声出しちゃったでしょ」

「かわいい」

「感度良過ぎるぞ千香」

「お願いほどいて」

「ほどいてほしいか?」

「ほどいてください」

「じゃあ、キスさせて」

千香は迷った。唇は神聖なものだ。でも仕方ない。手足を縛られている状態では何もできない。急がないと瑠璃子が拷問されてしまう。

「唇を許したら、絶対にほどいてくれると約束してくれますか?」

「もちろん」

千香は甘く唇を噛むと、ゆっくりと瞳を閉じた。一人が千香の唇を奪う。

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