《MUMEI》 5千香はコングを睨みながら言った。 「確認するけど、その男は逮捕監禁、強制わいせつ、強姦未遂、暴行と罪を重ねた凶悪犯だ。味方するならあなたも共犯者になるわよ」 「ぐふふのふ。そんなことはどうでもいいの。僕とバトルするのが怖いならかわいく降参っていいな」 「誰が怖いか」千香は怒りの形相だ。 「ところで、バスローブ姿で闘う気? 不利じゃない。僕は容赦なくバスローブを使って袖車を決めるよん、いいのう?」 確かに袖車を決められたら数秒で失神してしまう。ここで気を失うのは命取りだ。千香は口を真一文字にすると、ゆっくり帯を解き、バスローブを脱いで部屋の端に放り投げた。セクシーな純白の水着姿を見て、コングの目は丸くなった。 「ビ、ビ、ビーキニー!」コングは両手を広げて千香に突進。「水着マニアの僕の前でそれは犯してくださいと言っているのと同じ! いただきマンモス・・・だあああああ!」 カウンターの右ストレートが顔面に炸裂し、コングは一回転して吹っ飛んだ。弓矢が驚く。ダウンするコングに追い討ちをかけようと千香が迫る。しかしコングは正座すると片手を出した。 「たんま!」 その手を蹴ると、そのまま顔面にサイドキック! 「NO!」 コングは部屋の中を走り回って逃げるが、千香がムッとした顔で追いかけ、ローキックからミドルキック、左右のジャブから右ハイキック後頭部一閃! 「があああ!」 コングは大袈裟に空中回転して床に背中から落ちた。 「はあ、はあ、はあ・・・」 千香は両拳を構えながらコングを見る。全く隙だらけだ。体は大きいが格闘技は素人のようなので、千香は少し余裕が出てきた。コングは正座すると、両手を出した。 「ちょい待ち、どうしてそんな華奢な体でそんな鋭いパンチとキックが出せるわけ?」 「それがプロというものだ。見掛け倒しのド素人は怪我しないうちに消え失せろ!」 「ぐひひひ。さすがはスーパーヒロイン。言うことがいちいちカッコイイ」 「バカにしているのか? 死ぬぞ」 コングは笑顔で起き上がると、指を差す。 「千香姫。君は強過ぎる。だから相手が降参とか参ったって言ったら、攻撃をやめるというギブアップありルールはどう? どう?」 「ふざけるな。ストリートファイトにルールなんかあるか」 「じゃあ、千香姫がやめてとか待ってってかわいく哀願しても、攻撃し続けていいわけね?」 「あたしはそんな弱音は吐かない」 「そう」 コングはいきなり部屋から出て行った。弓矢は蒼白だ。 「コング!」 「弓矢」千香は思わず笑顔で睨む。「用心棒を雇うなら、もっと実力を吟味することね」 「チキショー・・・」 千香が弓矢に歩み寄ると、コングが戻ってきた。 「え?」 決して逃げたわけではなかった。コングはなぜか真っ白のシェフスタイルでフライパンを持っている。そして、いきなり歌いながら踊った。 「プーローのーうーでーまーえー手加減しなっいー!」コングは満面笑顔で目を見開き、カメラ目線になると、高い声で叫んだ。「今週もなーい!」 千香は本気で怒った。 「貴様、舐めてるのか?」 「舐めてなーい」人差指を振る。 千香は迷いが消えた。両拳を握り、にじり寄る。しかしコングは危ない笑顔でシェフの服を脱ぎ、Tシャツ姿になると、言った。 「千香姫。ではでは降参なしのデスマッチルールね。チミが泣き顔で待ってと哀願してもボディーブローでお寝んねさせてスッポンポンにして手足を縛り、バッコンバッコンバッコン! 容赦なくナマで中出し。どう? どう?」 「そこまで下劣なことを口にするなら、あの世に送られても後悔はないな」 前へ |次へ |
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