《MUMEI》 8「ぐふふのふ。降参?」 「んんん!」 「降参?」 「んんん!」 水着姿の千香がキャメルクラッチを決められ万事休す。千香は苦悶の表情で両目を閉じている。跳ね返せそうな気配はない。弓矢は千香の大ピンチに心底エキサイトしていた。 「んんん!」 「あ、もしかして降参って言ってるの?」 「んんん!」 「じゃあ、もしも降参なら両脚をかわいく女の子らしくバタバタさせな」 どこまで辱めれば気が済むのか。千香にも意地がある。彼女は両脚を動かさなかった。 「あ、そういう態度なら本気で反っちゃうよん。いいのう?」 「・・・・・・」 千香は激痛に耐えた。コングは怪しい笑顔になると、反る! 「!」 目を見開いた千香は、弱気な声になる。 「んんん、んんん、んんん!」 (ダメだ、痛い、どうにもなんない) 「んんん、んんん」 無念極まりないが、千香は両脚をバタバタ、バタバタさせた。 「かわゆい。でもまだ女の子らしさが足りないのでだーめ」 悔しい。しかし気を失うほうが危険だ。千香はひたすら両脚をバタバタ、バタバタさせた。 「んんん、んんん」 「許してほしい?」 「んんん」 「降参?」 「んんん」 コングは技を解いた。 「だああああああああああ!」 両拳を高々と上げ、リングを一周して観客に応えている図らしい。コングは、うつ伏せのまま起き上がれない千香の横にしゃがむと、腰をマッサージした。 「さあ、千香姫、スッポンポンになってもらうよ」 「え?」千香は焦ってコングの顔を見た。「そんな約束をした覚えはないわ」 「スーパーヒロインがバトルで負けたら、素っ裸にひん剥かれて磔にされるのが普通でしょう、世の中」 「そんな普通も世の中も知らないわ」 「拒否するなら失礼して」 コングはブラジャーの紐を引っ張る。千香はコングの鼻の真ん中に痛烈なエルボー! 「NO!」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |