《MUMEI》
10
そのまま、上げた掌を千香のボディへ下ろす。ボディーブローかと思ったら、まさかの胃袋つかみだ!

「うぐぐぐぐぐっぐぐ・・・」

千香は目を丸くすると、頬を膨らませ、死にそうな顔で首を左右に振った。完全に降参の意思表示だ。

「だーめ」

しかしコングは許さない。この激痛に耐えるのは無理だ。本当に2秒と耐えられない。千香は声を発することもできずに、首を左右に振り続ける。

「だーめ」

千香は両目から涙をあふれさせ、真っ赤な顔で首を左右に振る。

「降参?」

何度も頷く千香。

「参った?」コングはしつこい。

千香は許してもらうまで泣き顔で頷く。でないと死んでしまう。

「チミはこれで許したら、またハイキックでしょう?」

今度は左右に首を振る。

「心の底から降参?」

千香は泣きながら頷く。だが、コングはSだ。意地悪な質問で彼女を窮地に追い込む。

「じゃあ、この体好きにしてもいい?」

(んんん・・・)

プライドを捨てて泣きながら哀願しているのに。千香が頷かないと、コングは笑顔で叫んだ。

「交、渉、決、裂!」

そして、掌に力を入れた。本気のストマック・クロー!

「!」

千香は目を丸くすると、両脚をバタバタ、バタバタさせてもがき、すぐに白目を剥いて失神してしまった。

「ぐひひひ。お寝んねしちゃった?」

弓矢孝之は、コングの無慈悲な攻撃に感心しながらも、酷いと思った。コングは千香を軽々と抱き上げる。千香は、首も両腕もだらんと垂らしながら、憎き敵の腕の中に落ちた。コングは、セクシーな水着姿の千香に見とれながら、言った。

「敵にお姫様抱っこされたら、ヒロイン敗北でしょう」

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