《MUMEI》 14「舐めてるのかデブ!」 弓矢が殴りかかるが、コングは弓矢の顔面に右ストレート! 「がっ・・・」 弓矢は一発で卒倒し、気を失った。千香は身じろぎした。助かったか。それともこの場でコングに犯されてしまうのか。 「こんな物騒なものはいらない」 コングは床に丸鋸を置くと、全裸の千香に見とれる。 「かわいい! 千香。ホテルに連れってほしいと言ったけど、SMホテルでもいい?」 「いいわ」 「手足を縛ったまま犯したい」 「あなたがそうしたいなら、どうぞ」 「ホテルに連れて行く前に、ここでクンニしてもいい?」 好きでもない男に舌で責められるのは悔しい。でも仕方ない。 「・・・どうぞ」 「ぐひひひ。レーロレーロレーロー!」 大きなベロを出して、まるで山んばのようだ。千香は腰が引けた。 「今心の中で変態と言ったね?」 「言ってません」 「絶対言ったな」 「言うわけないじゃないですか、命の恩人なんだから」 「命の恩人?」 「そうですよ」 哀願に満ちた千香の甘い声に、コングの僅かな良心がくすぐられる。 「ぐふふふ。ここでレロレロしたら僕の支持率が下がるのでやめておこう」 「え?」 コングは何を思ったか、千香のおなかに手を置くと、言った。 「さらばだ千香姫」 「え?」千香は目を丸くした。 「僕は凄く頭がいい。人呼んで賢者コングー。千香が花嫁になりたいなんて1ミリも思ってないことくらいお見通し」 「あ・・・それは」 焦る千香に構わず、コングは満面笑顔で部屋から素早く去って行こうとする。 「待って!」 「何かな」 「ほどいてください」 「ぐひひひ。どうせ警察が来るでしょう。出血大サービス。男の刑事にその美しい裸体を見せてあげな」 「やよ!」千香は赤面した。 「初対面の男に見られるよりも、同僚にスッポンポンを見られるほうが恥ずかしいでしょう。それではさらばだ!」 「あああ、待って!」 コングは行ってしまった。千香は困った。よく知っている同僚の刑事たちに全裸を見られる。これは恥ずかしい。 「うっ・・・」 「え?」 しかし、現実はもっと危険だった。弓矢が起きてしまった。頭を振りながら、四つん這いになる。千香は息を潜めた。今度こそ殺される。 (ヤダ、どうしよう?) 前へ |次へ |
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