貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
時に思う。
アキは、
わたしに部屋をも与えてくれた。


2LDK。

一人で暮らすには広すぎるからと、全く出番の無かった部屋らしい。




備え付けのベッドに腰掛けて思う。



わたし、アキのこと、あんまり知らない…。


裏返せば、
アキもわたしのことを、あんまり知らないってことか…。




わたしがアキに話して来たことは、誰もが持ってる親への愚痴程度のもので、住んでる詳しい場所なんか、二の次だったもんなぁ。


アキはいつも聞き役で、アキ自身のことは当たり障りのない部分しか聞いたことがない気がする。


お互いの誕生日すら、分からないことに気がついた。





…知りたい。



…知らせたい。






アキと話さなきゃ。






荷物整理もそこそこに、わたしはアキの居るリビングに向かった。

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