《MUMEI》

俺は「図書館で勉強したら集中できるんじゃない」とのお袋の提案を素直に受け、自転車で街のほぼ中心部、家から見れば学校と反対側に向かって進んでいた。

本当はお袋が大音量でテレビを見るのが好きなので、俺が家にいると迷惑だということを知っていた。俺にとってもそれは迷惑な行為であった為、おとなしく俺が場所を変えるという選択肢を選んだだけである。

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