《MUMEI》

そして佐山は煙草をくわえるとライターで火をつけて吸った。
もうすぐ朝がやってくる。

翌朝、聖羅は目を覚ました。
部屋から出てリビングにいくともう佐山の姿はなかった。
きっと私が寝ていたから気をきかせて何も言わずに仕事に向かったんだな。と感じた。
今日も、もちろんカフェにいくつもりだ。しかし朝からでは早いので昼すぎに行く様にした。
まだ聖羅は佐山の事が好きだった。でも付き合う事は多分…出来ないし、思いが報われる事はないだろう。と思っていた。
だから尚更佐山の恋人になる人は自分が認めて納得のいく相手ではないと嫌だから。
大好き佐山に自分が気にいらない人が恋人になるなんて嫌だから。せめて私の納得のいく恋人であって欲しいから。
聖羅のわがままであるのは分かっている。しかしそれだけ佐山の事が好きなのだ。
カフェに行く時間が迫って来ている。

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