《MUMEI》 その安堵感から俺はこの部屋にいる2人組の存在の方に目をやっていた。 図書館の中でマイナーと呼ばれるであろうこの場所で、2人して何かを探しているのだからこれはきっと戦国時代の武将が埋めたとされる、埋蔵金でも探しているに違いないと、2人の行動を陰からそっと監視した。 「見つかったか」「いや、ない」なんて会話が聞こえてくる。 こうやって全ての可能性を確かめて、最後には結局は埋蔵金なんて始めから存在しないんだと結論づけても、『いや、絶対にどこかにあるはずなんだ』と、一生をかけて探し回る奴もいる。こう考えると可能性というのは非常に残酷なものである。人は少しでも可能性が残っていれば挑戦しようとする生き物なのだから。 前へ |次へ |
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