《MUMEI》 人生で最悪の日<島崎恭介>が私の通う学校に来て早くも2ヶ月。もうすぐ一年で一番長い休み、そう、夏休みが始まる。私は部活動もこれと言うモノもなく、休みは半分ほど暇だ。半分というのだから、もう半分はしっかり予定がある。他の帰宅部に比べ半分予定があると言うのは多いらしい。 そんなこんなで今のところ平和に暮らしている。私が嫌いなチャラ男こと島崎恭介に関わることもなく。 と、こんなに平和平和と考えていられるのも今だけ、と言うことを私はまだ知らなかった。 チャラ男が転入してきて2ヶ月半がたち、私なのんびり楽しい夏休み満喫中だ。今日は久しぶりに幼なじみと映画にいく。 家を出る前にリビングの隅に置いてある大仏様にいつも通り (今日も平和な1日でありますように。) と、強く念じた。ため息をひとつしたら急いで家を出た。 待ち合わせの新宿駅のホームにつくと幼なじみを探し始めた。数分キョロキョロしてると、いきなり後ろから肩をつかまれた。 (ひゃあ?!) しまった驚いて気持ち悪い声を出してしまった。私はとっさに (な、なんですか?) と裏返った声で相手の顔も見ずに下を向いたまま聞いた。すると (なんですかって、待ち合わせしてた者ですよ♪ww) と透き通った声で言われて、ゆっくり顔を上げた。 やられた、幼なじみだ! (何だ〜。いきなり肩つかまないでよ!) (めんごめんご〜ww)と笑いながら謝ってきた悪戯娘が幼なじみだ。 名前は<倉田紗恵 クラタサエ>見た目は通りすがった男は全員振り替えるんじゃないかと思う程の美人。性格は悪戯好きだかすごくいい子だ。声も透き通っていて、おしゃれだ。まぁ読者モデルのスカウトまできているから当たり前っといっちゃ当たり前だ。たまに隣に立ってる私が恥ずかしい。 と幼なじみの紗恵を分析してると、 (なに上の空になってんの?どうかした?)といわれて はっ! としたらすぐに (何でもない。)といつも通りの顔に戻して言った。交わしたと思ったら、(ん〜。) といきなり私の顔をマジマジ見て (変わってないね?ww高校に入って他校 になっちゃたから変わっちゃたかと思った。変わってなくて良かった。) は? と思い (何が?)と言う。すると紗恵はニヤリとし始め (えー?だから、人間分析してるなぁー。と思ってさー。) ニヤニヤしながら言われ (え?何で知ってんの?) と固まりながら聞くと紗恵は再度ニヤリとし、 (はは!何年一緒にいると思ってんの?4歳からだよ?12年だよ?まぁもうすぐ13か。だから知らない方がヤバい!ww)(癖なんだ。ごめん。)(知ってる!w)一瞬の沈黙が流れると (じゃあ、日向の分析しまーぁす!) と、突破的に言ってきた。私はつい(はぁ?!)と言った。私の驚きを無視して声のボリュームも変えずに (私の幼なじみ!名前は桜崎日向!バスケが好きで歌ダンスがうまい!、、、、)と、3分使って分析は終わった。カップ麺つくれるよ。はぁ。やっと終わった。とほっとする間もなく手を引っ張られ(いこ!)と笑顔で言われた。そんな可愛い笑顔で言われたらなにも言えん。と、はしゃぎまくって楽しい1日もすぐに終わった。プリクラは正直嫌だったが、、、。 帰る最中紗恵に (今日はオシャレじゃん! 偉い偉い!)とニヤニヤしながら言われ、(まぁ読モが隣に立ってるしね。)真顔でそう告げると紗恵はクスッと笑いながら(それでわざわざ買ったんだ〜。ありがと!)本当に嬉しそうな顔をしてきたので私ま笑みを押さえなから(別に)と言った。 (じゃあね〜♪気お付けてね!今日の日向は可愛いから!ww)(はあ?今日はってなに?“はって)(ww送ってくれてありがとー♪)(ホイホイ!)と明るい挨拶を交わし、紗恵がドアをしめたら明るかった住宅街は静かになった。 一人とぼとぼ歩いてると路地に差し掛かった、いつも怖い路地も久しぶりのオシャレや紗恵にあえた事で浮き浮きしてたのもあってか怖くなかった。 [早く帰りたいし早道しよ。] 紗恵に言われたことは私には降りかからないだろう。と思ったせいで人生で最悪な日になったのだ。 このときの私に馬鹿と言いたいのだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |