《MUMEI》 第一話「はぁ〜、疲れたぜ」 そう呟いたのは俺、木城 マコト(きしろ まこと)、高校二年生。 季節は夏。外では蝉が鳴いている。気温は四十度。風呂にずっと入っている気分だ。のぼせそうで、クラクラする。 「大丈夫?」 そんな俺に声を掛けたのは同じクラスの南風 凛(みなみかぜ りん)だ。 彼女は容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の完璧少女だ。 学年を越え、全校生徒から人気がある。 彼女にしたいランキングで連続一位を取るぐらいの人気さだ。 後輩(主に女子生徒)から「お姉様」とよく声を掛けられている。 それに比べ俺はというと、クラスの隅っこで生活しており、よくクラスの男子たちと昼休みに屋上で殴りあっているアニメ、ラノベオタクだ。 簡単にいうとイジメられている。元凶は目の前の凛なんだが しかし、凛は俺にとって学校で唯一といって良いほどの友達であり、幼馴染みだ。 「いや、死にそうだ。暑くてだるい」 「まぁ、気持ちは分からなくはないけどね」 「勉強したくない」 「はぁ〜、我が儘言わない。全く」 「あんたは俺の母親かよ」 「え?・・・・なんだって?もう一回言ってみなさい」 凛さんの顔が怖い怖い。 「何でもねぇよ」 「あっそ」 《キーンコーンカーンコーン》 「授業の鐘が鳴ったわよ。ほら、シャキッとする」 「ええ〜」 俺は無理矢理、凛にシャキッとさせられた。 先生が来たのか影が見えたが、扉の前で何やら渋っている。 扉が開かないようだ 「は?壊れたか?」 先生が職員室に行き、他の教師を連れてきて扉を開けようとする。 すると、床に何やら魔法陣のようなものが映り始めた 「えっ!? 何これ?」 それは誰の呟きか。 魔法陣は光始め、それは俺達を呑み込んだ 次へ |
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