《MUMEI》
第六話 前編
翌日
日課である筋トレをまた始めて、朝食をとり、風呂に入り、訓練所なう

「今から、それぞれの分野に別れて稽古をする。今から、名前を呼ぶから、名前を呼ばれたら、呼ばれた人の所に行ってくれ」

次々に名前を呼ばれていく生徒達。
そんな中、俺の名前は一向に呼ばれない

「はぁ〜」

俺は訓練所に仰向けになり、ボーッとしていた。
どうやら、俺以外の生徒達は皆、別れてそれぞれの分野の方へ行ったらしい
俺は全く呼ばれる気配がない。

「すみません。俺はどうしたら?」
「あぁ、貴様は好きにしてろ」
「分かりました」

俺は拳闘士の分野の方へ向かった。空手が得意だからね
そこでは既に訓練が開始されていた。拳闘士の生徒達は俺が来たのを横目で見て、笑ってた。何故だろう?

「これからここにいる兵士と相手してもらう」

いきなり実戦かよ。まぁ、いっちょ、やってみるか

「無能君、君は私が組んであげよう」

あ、なんか腹立った。マジで殺るか。花畑に逝かせてあげよっかな?

「おいおい、殺気立つなって」

あ、また、腹立った。とりあえず、こいつの戦いかたでも見てみるか

「さて、まずは私が無能君を相手にする。まぁ、決闘みたいなものさ。皆の前で二人一組で闘うから。まずは見ててね」

そういうと奴はポケットから一枚のコインを取り出した

「この硬貨が地面に着いたら試合、開始だ」

キィン、という音を響かせ、奴はコインを飛ばす。
奴はボクシングのような構えをとるが、俺は構えない
奴の額に青筋が浮かび上がるが気にしない
コインはある程度上がると重力に従い、落ち始める。
キィィン。
コインは地面に当たる。瞬間、奴はいつの間にか接近しておりストレートを放つ。が、俺は右に避け、腕を掴むとストレートの勢いを殺さずに背負い投げをする。
別に右に避けた後、前蹴りだとか正拳突きをしても良かったが背負い投げをした方が楽だったからだ。
奴は背負い投げにより飛ばされ、頭を地面に強打した。当然、気絶。気絶所の話ではない。
普通、背負い投げは服をつかんだまま、投げるが俺は投げ飛ばすために服を離した。そのため、頭を地面に強打したのだ。

「こんなもんかな?」

場は沈黙が支配していた。

「ねぇ、一応、あの人、助けないといけなくね?」
「あっ・・・治療班、セルクスさんを頼む」

俺の発言により、セルクスは治療班に運ばれた。

「このような形で皆の前で二人一組で闘かってもらう」

明らかに動揺しているが、生徒達にちゃんと説明する
そんな生徒達はというと、今の光景が信じられないといった様子で俺を見ていた。まぁ、そりゃ分かる。今まで、隅っこでこそこそしていていじめられていたオタクがこんなに強かったと知れば誰でも驚く。が、彼らは気持ちを切り替えると訓練に励みだした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫