《MUMEI》 第八話 前編チュチュンがチュン 清々しい朝だ。昨日やっていなかった、筋トレ、走り込み、剣などの素振りをし、朝風呂に入り、朝食を食べに行く 食堂にはなんとあのセルクスがいた。 「探したぞ、無能!」 朝から無能呼ばわりとは中々、度胸があるな。潰してやるか。 構えをとろうとする前に奴が口を挟んだ 「まあ、まてまて」 「は?」 「お前には提案が合ってきた」 「は?」 「俺と決闘しろ」 「は?」 頭がおかしいんじゃないか、コイツ? 今まで、散々負けてきたにも関わらず、決闘しろとか。 「笑わせるな」 おっと、つい本音が。そんなセリフを聞いた目の前の奴は額に青筋をたてる 「バカにしてんのか?」 「うん」 俺は大きく頷く。さらに額に青筋をたてる。神経、プッツンしてるかも。すげぇ、睨んでやがる(笑) 「ま、いいよ、セルクス(笑)」 「ほほほ、ほう。後で決闘やめてくれとか言うのは無しだからな!」 「誰がセルクス(笑)に負けるかよ」 「くぅうう〜。決闘は今日の訓練の時間にさせてもらう。ルールはその時に説明するからな。逃げるんじゃないぞ!」 沸点低すぎ。相手の力量を今まで、散々見てきて分からないとか筋金入りのバガだな。 「おはよー。それにしてもマコチン、良かったの?」 「ああ。別に」 「マコチンがいいなら別に。楽しみにしてる」 「はぁ〜」 「マコト、おはよう」 「おう、焔。凛もおはよう」 「うん、おはよう」 四人で朝食を取る。この生活には結構慣れてきた。 イケメン(焔)、美女(凛)、萌え系美女(まなみん)、平凡(俺)。 みんな、俺に羨ましさと嫉妬の視線を向けてくる。別に何とも思わないから良いけど 朝食を食べたあとはちゃんと歯磨きをして口をゆすいでから、訓練所に行く すると、セルクス(笑)が仁王立ちして訓練所の前にいた。 「あ〜決闘ね」 「ふんっ、あまりにも遅いから逃げ出したかと思ったぞ」 「そんな時間、経ってないけどな」 「うるさい!」 セルクスは決闘場に案内した。そこには鎧をきた、歴戦の戦士がいた。威圧感がすごい。 (この人、間違えなく強いな。取り敢えず、今は目の前の戦いに集中するか) 「はあ〜。で?ルールは?」 「魔法ありで、制限時間は十分だ。審判は国家騎士団、団長にしてもらう。相手が降参を認めるか、戦闘不能になったら終了だ。クリスさん、お願いします」 どうやら、騎士団長だったようだ。そりゃ、強いよ。イケメンだ 「セルクス、お前は全く。彼は仮にも戦争とは無縁の世界から来た人間だぞ?」 「団長、俺はこの無能に勝ちたいんです」 「はあ、木城だったな。すまない」 「いえいえ、別に構いません」 「本当にすまない。では決闘を始める」 「構え」 団長に言われ、構える。 「始めっ!」 クリスさんの合図が言われると奴は火の球を投げてきた。俺は楽々後ろに飛んで避ける。地面に火球があたり俺は煙に囲まれた。そんな中、 『ウィンドブレード』 と風の刃を飛ばしてきた。俺は最近手に入れた新たなスキル、魔力感知、気配感知で風の刃を全て避け、セルクスを探す いた。俺と直線上にいる。まず、俺はコイン魔術で、身体強化魔法のついたコインを握り、魔力を流す。そのことにより魔法が発動する。一気に踏み込み奴の目の前に移動する。 一瞬で距離を詰められ、セルクスは驚愕している。 強化された拳で奴の顔面に思いっきり叩き込んだ。が、まさかの、相手に止められた。魔力感知を発動させると奴も身体強化魔法を使っていた。 俺は急いで後ろに飛んで、それならばと右拳を中腰に構える。体全身に行き届いている身体強化魔法を右腕に集め、殴った。 セルクスはニヤリと笑うが次の瞬間、壁に張り付いていた。白目を剥いて。 マコトがやったのは、簡単。空気の壁を殴ったのだ。そして、衝撃波を飛ばしたのである。 見えぬ衝撃波を諸に浴びたセルクスは壁までぶっ飛んだという事だ。 「クリスさん、審判を」 「き、木城の勝利」 こうして、俺はセルクスとの決闘に勝利したのだ。 前へ |次へ |
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