《MUMEI》 第十話 中編三十五人を五つのグループにした。 俺の班員は拳闘士の石井 隆一郎(いしい りゅういちろう)、魔術師の朝木 守(あさき まもる)、治癒師の伊神 桜(いかみ さくら)、剣士の桜井 佐奈(さくらい さな)だ。そして荷物持ちの俺。 「これから、ダンジョンに入るんだが、班には一人ずつベテランの冒険者が着いてくれる。困ったことがあれば彼らに尋ねるように」 そうしてダンジョンに足を踏み入れたのだった 俺らの班に着いたベテランの冒険者の名前はリリエ・ハーバントという美人な女性の冒険者だった。ちなみに二つ名は暴風の歌姫らしい。詳細は謎である。 さて、荷物持ちの俺は今、荷物を持ちながら、魔物を見つけては、蹴っていった。 一応、戦闘にはなれておかないといけない。というか、何回か剣術の方で、魔物と戦ってるから、今さらなんだけどね。 ゴブリンは俺を見ると、襲いかかってくるが、遅い。 必殺、ヤクザキックを顔面にお見舞いしてやると絶命した 靴に着いた、返り血(緑)を拭く。 桜井がリリエさんに 「今日は何処まで、行くんですか?」 「二十層までいくわ。ちなみに今は五層よ」 「行けるかもしれないですね」 「そんなに甘く見ないほうがいいわ」 「そういうもんですか?」 「どんな時でも油断を解いてはいけないわ」 「分かりました」 その後も、順調に十層まで進んだ。問題はここかららしい。 十層に足を踏み入れたが、特に違和感はないが、桜井達は身体中をガタガタ震わせている。 「ん?どうしたんだ?」 「おま、よく、平気、だな」 「何か感じるのか?」 「殺気、かな、?」 「荷物持ちの坊主は大丈夫なのかい?」 「リリエさんは?」 「私はもう何回も行ってるからね。慣れたよ。でも最初は私も身体中を震わせていたね」 「はあ。どうします?一旦、休みますか?」 「こいつらがこんなんじゃ、先に進めない。少し休むかね〜」 「分かりました」 皆、それぞれ、水を飲んだり、仰向けになって休んだりした。俺は地面に座っている。 リリエさんは壁際で水を飲んでいる。 五分間休憩すると、十層に進む。 やはりまだ、休憩を挟んでも恐怖心が残っているのか中々、前に進まない。 ふいに、後ろからボロッという独特な音が聞こえてくる。 魔物は壁からうまれる。俺ら以外に人はいない。採掘をしている冒険者がいたら、少しは安心できたが、いない。 リリエさんは冷静だ。桜井達はゆっくり後ろを向く。もちろん、俺も。ゆっくりではないが。桜井達は恐怖し、俺は歓喜した。 うまれた魔物は身長二メートルに近く、体は人。頭は牛のミノタウロスだった。 「ヴォォオオヲ」 雄叫びを上げ、襲いかかってきた。 桜井は震えながらも剣をかまえる。 石井、朝木、伊神は腰が抜けたのか、地べたに尻餅をついている。 リリエさんは相変わらず、冷静だ 俺は荷物を地面に置き、ミノタウロスに向かっていく。リリエさん、桜井達は驚き、俺に引き返すように呼び掛けている。 まあ、無理もない。非戦闘員の荷物持ちだから。 しかし、俺は気にせずミノタウロスに向かっていく。 ミノタウロスは一直線に向かってきた俺を見ると、ニヤリと口元を歪め、俺に正拳突きをかまそうと、拳を構え、殴ってきた。 俺はそれを・・・・・爆発させ、後ろに飛ばした。 やり方は簡単。硬貨製造で、一円より小さいコインを作りだし、そこに爆発魔法の陣を描き、魔力を流して肩らへんにポイッとぶん投げ起爆。 さすがに、勢いは殺せなかったので、蹴り飛ばしたのだ。腕を こうすることで、ミノタウロスの腕が後方に飛んでいく。 ミノタウロスは疑問符を浮かべ、右腕があった場所をみるが、勿論、ないので 「ギャァァアアア」 と、叫び、左拳でストレートを決めようとするが、そのとき俺はミノタウロスの懐へ。 いくら、魔物だって急所は存在する。 喉、鳩尾、アキレス腱など。 まず、アキレス腱を鉄剣で切り、膝をつくミノタウロスの鳩尾に正拳突きを咬ます。 鳩尾を押さえ、苦しむミノタウロスの無防備になった首を剣で胴体から切り離す。 ――――――――――――――――――― 話が長くなりそうなので、続きは後編で! 前へ |次へ |
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