《MUMEI》

それから七瀬はいつもの調子に戻ったかのようにプレーに集中し、トントンとポイントを重ねていった。



そして、みごと勝利。



その瞬間を見届けることは出来なかったけど、
あとから何気なくほかの男子に聞いた。


自然と笑みがこぼれそうになるのを抑えるのが必至だった。











パンっ!!



『ちょっと唯ちゃん?なにすんのさ。私がせっかく過去のメモリーに浸ってたってのにさ。』


「いや美羽。もうこんな時間なんですけど?」


そう言って時計を指す唯の指の先を見ると、
時計は午後五時前を指していた。



『あ、ほんとだ。じゃ、帰りますか。』



そう言って私達はほとんど人がいなくなった教室を出た。

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