《MUMEI》

ゴシゴシゴシゴシ…____


あのあとお姉様に言いつけられた通り
屋敷中の掃除を済ませ、窓を拭き。
気が付けばお昼になっており、

「シンデレラ。昼食が遅くってよ。」

とまたお姉様に叱りつけられてしまった。今はお屋敷のすぐ側の川まで洗濯にきていた。



『……』


ふと水辺に映る自分の顔を見る。


『シンデレラ…』


『私はシンデレラじゃない。』


忙しい毎日であれほどシンデレラと呼ばれ続けていたら、自分の名前を忘れかけてしまう。













『私はシンデレラなんかじゃない。…私はルージュ。』

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