《MUMEI》
森のおおかみさん_____ルージュside
私が名前を呟いたその時。



バシャバシャバシャ!!



少しの水飛沫と水を蹴る音がした。


顔を上げてみると、ひとりの少年が立っていた。


明るい茶色の髮にくりくりの目。
小さくてシュッとした顔立ち。
一言で言うと“かっこいい”。それだった。


私が口を開けて顔を観察していると、あたふたと言葉を探す彼。


そんなコロコロと表情が変わる彼が、とても可愛くて。


『ふふ』


つい声が漏れてしまった。

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