《MUMEI》 第十一話 中編作戦が決まった俺達はしばらく、燃えそうな草や木材を探す。三十分くらいたっただろうか。巣穴から田島達が、ボロボロになって帰ってきた。その中に鑑がいなかった。 「おい、田島」 「助けてくれ!」 「は?」 まさか、と思った俺は桜井達を集める 「詳しく聞こう」 「話してる場合じゃないんだって!」 「むやみやたらに突っ込んだのか」 アリスさんは怒りの顔だ。怖ぇ。 「そうそう、鑑さんはどうした?」 「・・・った」 「え?よく聞こえないんだが」 「つつつ捕まったんだよ、ゴブリンに!」 「て、てめぇ!」 「ひぃぃい」 マジか。嫌な予感がしてたんだよな鑑が田島達と一緒にいないことが。石井が田島を睨み付けた 「お前らバカだろ。女性を置いてくるんじゃねぇよ!一般的にはゴブリンっていうのはな女性を使って子供を産まさせるんだよ、分かってんのか?」 そう言うと、田島達は顔面を蒼白にする 「ど、どうすれば」 「アリスさん、すみません作戦変更です」 「分かってる。その鑑って子を助けないとね」 「はい。急ぎで行きますが常に冷静さをもって行きましょう」 木城達はゴブリンの巣穴に入っていった 巣穴はあまり、広くはないようだったが、罠が沢山あったらしい。 「『探知コイン』」 俺は探知コインで鑑の位置を探る。頭の中にこの巣穴のマップが浮かび、鑑の位置を見つけた。どうやら奥にいるようだ。 「奥に鑑さんがいるようです」 「分かったわ」 しばらく、進んでいくと、二つの穴を発見 またも、探知コインを使い、穴の先を調べる。 まず、右の穴には鑑さんのほうに続いていた。 「鑑さんは右穴の先にいます」 「よし、行きましょう」 「いえ、待ってください。左穴に何かいます」 「ゴブリン?」 「えぇ、多分」 マップ上には魔物の情報がのっており、こちらの様子を窺っているようだ。 右の穴にいったら、後ろから襲うつもりなのだろう。 俺は腰のポーチから枯れ枝と草を取り出す。 アリスさんに火打ち石をかり、火をつけ、煙がモクモクとで始めるのを確認すると左穴に向かって投げた。 数分後、五体くらいの緑色の小人が出てきた。煙が目に入り、催涙ガスのようになっているようだ。実際、結構痛い。 朝木に頼み、遠距離攻撃をして、倒してもらう。 マップ上に魔物がいなくなったのを確認し、鑑の所に急いだ 途中、暗闇で見えない罠が合ったり、隠れているゴブリンに出くわしたが、石井達が倒してくれた 鑑のいる場所の近くに着いた。俺達は岩場に隠れ、中の様子を窺う。そこには両手両足を枷でしばられ、目の焦点が定まっていない鑑がいた。 内心で舌打ちをする。もはや、手遅れだったようだ。 近くにはいろんな意味で疲れたゴブリンよりもでかい、魔物――ホブゴブリンがいた アリスさんと朝木に俺が合図をしたら遠距離攻撃をするように頼み、俺と他の八人は岩影から攻撃の準備をする 俺はホブゴブリンにコインを投げつけ、注意を俺に向ける。 ホブゴブリンは俺に気付き、おってくる 「今です!」 アリスさんと朝木に合図を出す。アリスさんはホブゴブリンの片目を射抜き、朝木はホブゴブリンに延焼をつけた、火属性魔法――ファイヤーボールを浴びせる。 俺はその間に鑑の所までいき、『解錠コイン』で枷を外す。鑑の焦点はいまだに定まっていない。 石井達に合図をだし、ホブゴブリンと戦わせる。 伊神に鑑を見てもらい、その間に俺も石井達に加勢する。 ホブゴブリンはゴブリンの上位に位置する魔物で、ステータスもゴブリンよりも高い。しかも、ホブゴブリンは中々、倒れないのだ。 バッグから鉄剣を取り出し、『付加コイン:斬』を鉄剣に使用し、ホブゴブリンの体力を減らしていく。 ホブゴブリンの持っている剣が石井に諸に当たった。 「ぐっ!これは・・・・」 石井はポーチから解毒薬を取り出し、傷口にかけたあと、がぶ飲みする。 「ふぅ。危なかった。皆、その巨体の持っている剣には多分、毒が塗ってある。気を付けろ」 やはり、剣には毒が塗ってあったようだ。 石井の言葉を聞いた俺達は出来るだけ近づかないように隙を見つけてホブゴブリンに攻撃を与えていく ついに、ホブゴブリンが倒れた。疲れた。皆、汗をたらしポーチから水を飲んでいる。 前へ |次へ |
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