《MUMEI》
第十一話 後編
一休みをしてから、俺達は鑑の状態を確認する。

「今、気絶している。出来る限り、傷とかは治しました」

さすが、治療師の伊神だ。元々医療関係を目指している彼女は頭がよく、立ち回りの動作も正確だ。とても、頼りになる。

「あ、そうだ、木城。お前やっぱり、魔法使っただろ」
「・・・・」
「何か隠してるだろ。ま、言いたくないならいいけど」
「うーん、どうすっかね。ま、後々バレるから今、いっておくか」

石井達にコイン魔術について話す。

「魔法じゃなくて、魔術だったのか」
「魔法と魔術の違いってなんだ?」
「魔法っていうのはな、詠唱して、力を使うこと。魔術は魔法陣をつかって力を使うことだな」
「ふーん。魔法と魔術の違いってそうなんだ」
「ま、ラノベだとな」
「ふーん」

グループで外を目指す

「あのさ、俺のコイン魔術についてはあまり広めないようにしてくれないか?」
「ん?何でだ?」
「コイン魔術は俺が作ったものだ。この事が、広められると、目立つだろ?」
「まあな」
「命を狙われる可能性が出てくるんだ。多分」
「い、命を!?」
「大袈裟すぎかもしれないけど、確かにあり得る」
「分かった。じゃあ、これは私たち五人の秘密だね」
「そうだな」
「なんかいいですね」
「確かに」

と笑い合う。外が見えてきた。いつの間にか夕暮れだった。綺麗だ。

「綺麗だ」
「うん、そうだね」

皆で、夕暮れを見る。

「おっと、こんなことをしてる場合じゃない。鑑さんの事を早く伝えないと」

みな、「アッ!」という、声をあげ、城に急いで帰るのだった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫