《MUMEI》
第十三話
朝だ。
グッスリ眠ることで、気持ちよく起きれた俺はセバスやメイドさんに服の洗濯を任せ、新しい服に着替える。
食堂に向かい、まなみんと焔と凛と一緒に朝食をとる。

〔マスター、マスター〕
(ん?)
〔お久しぶりです〕
(久しぶりではないだろ。一日しか話さなかっただけだろ?)
〔そうですね。最近、私の登場回数が少ない気がします〕
(何の話だ?)
〔気にしなくていいです〕
(ふーん。で、何のようだ?)
〔鑑さんは無事に目を覚ましたようですが、部屋に引きこもっているようです〕
(まあ、仕方ないかな。ゴブリンにあんなおぞましい行為をされたんだからな)
〔そうですね。で、彼女、お見舞いをことごとく、拒否しているようですよ〕
(今は、そっとしておいた方がいいかもな)
〔そうですね〕

俺とデスタは会話を切る

「ねえねえ、マコチン」
「ん?」
「鑑っていう子は大丈夫なの?」
「大丈夫らしい」
「ふーん」
「他には鑑みたいに、ゴブリンに襲われた子は?」
「鑑って子以外にも後、五、六人いるみたい。全員、女の子」
「ヤバイな」
「うん、行為をされた彼女達、泣いてた」
「そりゃそうだろうな」
「全く、マコチンの話を聞かないから」
「ま、隅っこ暮らしをしていた俺の話なんて聞かないだろ。まなみん達はどうだったの?」
「マコチンの情報が役に立ったよ。罠の発見方法や、後ろに注意しろって事など、教えてもらったのが役に立ったよ」
「そりゃ、良かった」
「私達の班は凛ちゃん、焔くん、私、後、盾士の安藤 勇気(あんどう ゆうき)君と薬剤師の四條 次郎(しじょう じろう)君だったよ。そっちは?」
「拳闘士の石井、治療師の伊神さん、魔術師の朝木、剣士の桜井さんだよ」
「男女半分ずつだし、バランスがいいグループだね」
「そだね」
「私達のグループの男子、安藤君と四條君、ゴブリンの巣穴に入っている途中、カッコいいとこを見せつけようとしているのか、頑張っていたよ。目障りではあるね少し」
「じょ、女子って怖ぇぇえ」
「何処が怖いのか知らないけど、私、マコチンのグループに加わりたいよ」
「えぇ!?」
「えぇ!?」
「ほわ!?」
「良いじゃん、別に」
「うーん、別に俺は良いんだが」
「愛美だけ、ずるい!」
「そうだそうだ」

凛と焔が、何やら言っているがスルーしておく

「ま、ここで話していても現実は変わらないよねぇ」
「まあな」
「そうね」
「そうだろうな」

俺達は食堂からでて訓練所に向かう
団長さんが、皆が集まったのを確認すると、今日の予定について話始めた。今日は訓練がないようだ。そりゃそうだ。昨日のことがあったんだから。明日の予定について話され解散することになった。
皆、それぞれ行動が違う。自室に戻る者、仲間のお見舞いに行く者、城下町に遊びに行く者。俺は石井達と、鑑のお見舞いに行くことになった。

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